タコは天に昇った~横山ノック氏逝去。 [雑文]
@60回目の憲法記念日の昨日、東京ミッドタウンを見物して帰宅してから横山ノック・前大阪府知事の訃報を聞いた。ぶっちゃけ、うっそー!であった。あの横山ノックが死ぬなんて…。
@ノック氏の経歴、政界入り、大阪府知事になってから転落、そして死までの経緯は
この記事を参照のこと。↓
@【asahi.com】横山ノックさん 漫才・政治 絶頂と転落
http;//www.asahi.com/national/update/0504/TKY200705040007.html
@ノック氏を慕う芸人仲間は多かったが、当のノック氏は例のセクハラ事件を起こしてから、「エロダコノック!」などと陰口を言われ、放送局からも敬遠され、芸能事務所からも切られ、しだいに芸人仲間とのつきあいを避けるようになっていったという。
@2003年にやっと芸能界に復帰したが、昨年頃から健康を害し、病院に入院していた。が、病には勝てず、昨日の宵についに中喉頭ガンのため、他界した。
@ノック氏の笑いのセンスは、1960年代当時としては最先端であった。上岡龍太郎氏らとお笑いトリオ「漫画トリオ」を結成する時も、今までの漫才さんたちが、ど派出ジャケットに巨大蝶タイといったオーヴァーないでたちが普通だった時代に、後に若者のトレンドセッター・ブランドと化すVANの粋なスーツに身を固めることを思いつき、時代の先端を行く御洒落なカッコでステージに立った。
@ギャグのセンスも切れまくっていた。伝統重視が根強かった寄席の世界に、時節・政治などをネタにした、当時としては今までの漫才さんより3倍(!?)テンポの早い、スピーディーな最先端のギャグを披露、関西はいうに及ばず、東京でもファンを得た。
@ネタとネタの合間に♪パンパカパーン!今週のハイライト!とやるのが漫画トリオの高座の特徴だった。「医学の驚異、世界の謎。埼玉県は蒲郡、生まれいでたる哀れな子。タコ男だよ~。イサムちゃ~ん!」「あいよぉ~」という、いわばタコダンスギャグは今みても笑えてしまう。
@ノック氏と兄弟分だった落語立川流家元・立川談志師匠は「おれはあの笑いのセンスをずっと愛してきた」と、ノック氏が如何に笑いの最先端を走っていた人物であったかを、哀悼の意をこめて語った。
@最期はごく近親の人だけで密葬が行われた。近くお別れの会が開かれるという。
@横山ノック氏がこの世から永遠に姿を消したことで、関西の笑いは一層、世代交代が進み、笑いの質も単なるコテコテ&幼児受けものから、鋭利なインテリジェンスの光る辛口の笑いに変わっていくのであろうか。
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