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自らの『クローン』を後継者に…。~ヤマトシロアリ~ [雑学小論文]

@So‐netニュースサイトを調べていたら、こんな驚異なニュースがあった。

(09/03/08 03:14更新 讀賣新聞より)

@なんと、ある種のシロアリの女王(♀)は、王(♂)と交わらずに自分の後継者を産み出すのだという。これは、日本に多くいるヤマトシロアリの女王。自分の死後に巣(王国)を受け継ぐ新女王を、王と交配しない単為生殖で産むことを、岡山大学の松浦健二准教授(昆虫生態学)らが発見した。今月17日から盛岡市などで始まる日本生態学会で発表する、という。

@これまで、シロアリの女王は、王と女王とが交配して産まれる娘シロアリがなるものだと考えられてきた。それが、実は女王自身の『分身』で、女王の座を巣の続く限り守り続けるというのだ。つまり女王は、自分の『(天然)クローン』を産んで、それを女王の座に君臨させ続けるのだ。何とも驚くべきシロアリ類の生態の一端だ。

@シロアリは、最初は一匹ずつの王と女王がペアで王国の基礎を作り、働きアリや兵アリ、生殖能力を持つ羽蟻などを産んで、王国を構築、拡張する。今回、松浦氏らがヤマトシロアリの生態や遺伝子を詳細に調べた結果、女王は通常王と交配して、働きアリや兵アリなどになるタマゴを産卵する。が、その中の2~5%は単為生殖によって産まれた女王自身のクローンであり、これが新女王として王国を継承することがわかった。

@王国の規模が拡大するにつれて、一族郎党を増やさなくてはならない。が、女王だけでは産卵数が不足しがちになると、新女王たちが王と交配し、一族を増やす。シロアリの女王は実は5~10年しか生きない。逆に王は20~30年も長生きする。しかし女王が身につけた、この自己複製能力のお蔭で、初代女王の遺伝子をそっくり受け継いだクローンがまたクローンを産み出し続ける為、王国の存続する限りは、初代の遺伝子を持つ女王が「君主」として君臨し続けることとなる。

@自らの実質上の後継者をクローンの形で産み出すヤマトシロアリの女王。今回明らかになったこの新事実にも、自然の巧まざる、しかし“特定の絶対者”によらない、不思議な工夫が見えて隠れている。若し、人間社会で、人工的な単為生殖が可能にでもなれば、少子化に長いこと悩む文明国などにとっては、ある意味、福音になるかもわからない。が、そうなると、男性の役割とは何だろう?などと、男性の存在意義が問い直される事態になるやもしれぬ。
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