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嗚呼、桜爛漫。 [出歩く]

@上野に寄って来た。ホームを出て改札に向かうなり、夥しい人、人、人の群れ!花見目当ての客と、動物園に行く人達と、美術館その他の展示を見に行く人々と、目的は様々だ。

@上野公園の桜並木の下では、みんながみんな、ブルーシートをベランと広げて、ビールは飲むわ、コンビニの弁当は食うわ、カラオケは歌うわ、の宴会の真っ最中。土曜だけあって昼間からドンチャン騒ぎである。

@花見というよりこれでは単なる宴会である。やはり、花見というのは、爛漫に咲く桜を眺めつつ、杯にその花びらを受け、愛や死や友情や人生の哀歓その他について、日の沈み月の出ずるまで、縦横無尽に語り尽くしたり、あるいはただ桜の美しさを愛でつつ、持ち合わせのお弁当に舌鼓を打つのが本来なのではないかなぁ。まぁビールくらいまでは飲んでもいいかもしれないがねェ。

@それはさておき、何処へ行こうと、桜はホトンド満開と相成った。ポンポンのように丸く固まって淡いピンクに、しかしゴージャスに咲く染井吉野の並木道を眺めつつ、動物園へと向かった。

@久しぶりに象を見た。みんなとっても穏やかな、いい表情をしていた。きょうのポカポカ陽気のせいで、象さんたちもうれしいのだろう。

@ペンギンと海驢(アシカ)も、とても気持ち良さそうにしていた。ペンギンの群れの中に、何故か背中の灰黒い野生の鷺や、ほっそりした青灰色の羽色をした鷺がいたりしている。五位鷺(ゴイサギ)、青鷺(アオサギ)である。五位鷺はずんぐりむっくりとしていて、背中が黒っぽい灰色をしている。青鷺は見るからにスマートで、ペンギンよりも目立っていたように見えた。


@不忍池に沿った西園に向かう。やはり大量の人がゾロゾロと桜と動物のどっちか目当てで向かっていた。池に着くと白鳥やハジロ(鴨の一種)が、すいすいと水面を行き来していた。岸辺には、ホッペタの白い四十雀雁(シジュウカラガン)が、トコトコ歩いていた。池の柵から時々飛び出して、人の足下に来たりしている。動物園側によると、これは脱走しているのではなく、繁殖計画の為に数十羽ほど放し飼いにしているそうなのである。

@大きな鳥舎にいる水禽たちが、みんな可愛らしく見える。オイスターキャチャー(ミヤコドリ)は赤い箸みたいな嘴が黒いからだとコントラストになっている。インカアジサシは、顔に生えている白い髭が面白い。猩々朱鷺(ショウジョウトキ)は鮮やかなる朱赤が眼に染みる。

@西園を出て、また桜の下でお花見の光景に出会う。ドンドンチャカチャカ、とても賑々しい。不景気で節約、節約の世の中だが、それでも人は賑やかに宴をしないではいられない。

@不忍池の弁天宮に向かう道に沿って、屋台が幾つか出ている。じゃがバター、とっぽぎ(韓国のピリカラ系スナック)、お好み焼き、みそ焼きまんじゅう、トルコ名物ケバブ、スパゲッティをそのまま揚げた「スパボー」などなど。じゃがバターを買って食べる。う~ん、想像していたよりホクホク度がいまいちだ。これでは家で作ったほうが美味しく出来る、というもんだ。それでも完食。

@空を見上げると、白い灰色の雲が一面に広がり、鴎らしき鳥が何羽か旋回していた。池の向こうでは枯れた葦や蓮が一面に残っていた。葦の先っちょに小さな鳥が止まったりしていた。如何やら葦切鳥(ヨシキリ)らしい。

@骨董市にも寄った。相変わらず面白いガラクタまがいの古物が溢れかえっている。タコや猿、○○○○○を象った根付、みやげ物の仏像、戦前の発行のものも多数混じっている、乱雑に積み重ねられた古本。アンティークもののビーズやペンダント、アフリカものの民族彫刻。うわぁ、何でもアリですなぁ。

@ある店では、指で平たい針金をはじいて鳴らす「カビンバ」という楽器を見つけ、ランダムにピキンピキン、と鳴らして遊んでいた。何だかアフリカ的な“匂い”を感じた。これが少なくとも、私が感じるかの世界のクオリアのひとつか。

@上野をあとにして、電車に乗り、家に戻れば、時刻は6時にならんとしていた。
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