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梅雨明け後の雑感。 [雑文]

@きょうは熱帯夜になるとや。寝苦しい夜は、TVを見ながら過ごすのが一番だ。


@動物たちの不思議な能力が、人類の役に立つというTV番組。珊瑚の天敵・オニヒトデからは、魚の成長を促進させる、ある物質が出ているらしい。また、漁場に最近大量出現し、漁業関係者からは迷惑者扱いのエチゼンクラゲなどクラゲ類を乾燥させて細かく砕くと、高分子ポリマー顔負けの保水力を誇る物体に。これを禿山や砂漠地帯の農地に蒔くと、保水力を発揮し、乾いた場所でも苗木や野菜を育てることが出来る。

@その他、ドクターフィッシュという、足の裏の角質などを食べてくれる小さな魚が取り上げられていた。

@でも、当の動物たちは、人間のそういう思惑など、一向に感知していないのだ。自分達の持つ能力が、人類の役に立つか立たないか、ということなど、彼等には全く関係のないことなのだ。

@ある人が、薔薇がある。しかし、薔薇の美しさは、当の薔薇自身には感知できない、ということを言っていた。北欧やゲルマンの神話に登場する、オソレを知らぬ向こう見ずの若者が、自分が寄って立つところの世界を支配する、堕落した神格者たちの思惑によって、世界の希望を一身に託された「英雄」などということを感知しないのと同じことである。

@そのジークフリートが、水面に映った自分の姿を見て、自分はいったい何者なのかと悩む時、そこにいるのは神格者たちに「英雄」という“タグ”をつけられた人物ではなく、何処にでもありふれた1人の青年でしかない。

@そんな青年が、数奇な運命に操られ、巌に眠る乙女(ブリュンヒルデ)と薄幸の恋に落ち、やがて悪党の奸智に嵌められて命を失うまで、彼は自分が英雄である事など、ホトンド感知しないまま生きている。ジークフリートのありかたは、私達1人1人のそれでもある。

@私達も、動物たちも、自分にどんな運命が待ちうけているか、ホトンド感知できないまま、偶有性、1回性など不確実な性質で出来た、世の中の流れに投げ出されている。個体ごとに微妙な違いはあるだろうものの、我々は皆、だいたいジークフリートと似たような人生の道行きを辿っている。

@ただ、英雄のタグをつけられてはいない、凡人である我々は、ジークフリートよりは運命に対して、幾らかは自覚的である。それが我々にとっては、ある種、生きる上で幸いしているのかもしれない。

@いわゆる“聖なる愚か者”であるジークフリートは、最後まで運命に翻弄され続け、横死する。欲望に支配された、堕落した神格者たちによって、英雄に祭り上げられた哀れな若者は、最後は偶有性の大海に足をすくわれ、その海の底に沈んでいったのだ。

@我々は運命に対抗する哲学もしくは宗教という“羅針盤”を得たことで、それと抗いつづけながら、人生の航路を進むことが出来るようになった。ジークフリートが持てなかったその羅針盤を持つことで、私達は運命に対して抗う力を獲得したのだ。

@ジークフリートと同じように、動物たちも、その羅針盤を持ってはいない。ただ、彼等は自然の限り無い力に守られて、食うや食われるやの世界を懸命に生き、交わり、子孫を残し、死んでいく。

@運命にただ流されるか、それとも運命をも変えてみせ、宿命すらも変えるのだ、という強い意志を持って生きるか、それが、無垢で愚鈍な英雄と同じ悲劇を辿るか、智恵ある凡人として生きるかの、分水嶺になるのだろう。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆


@そういや、サーファーの夫が覚醒剤所持で逮捕されたことで、女優で歌手の酒井法子の行方が判らなくなり、所属事務所側が警察に捜索願いを出したとか。

@運命と抗い、よりよく生きる哲学・宗教という「羅針盤」を持った筈の人類だが、運命に翻弄されて、人生航路を誤る者が後を絶たない。

@のりピーも、かの英雄の如く、悲しい運命に翻弄され続けるのだろうか。
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