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雨が又降る・・・。口蹄疫の「呪い」。 [雑文]

@宮崎で今猛威を振るう“口蹄疫”。牛や豚、羊や山羊、らくだなどひづめ(蹄)が偶数個ある草食性の家畜のみ観戦する疫病で、まず牛などに感染すると、口からよだれが出て、高熱も出る。口のまわりに水ぶくれが出来るなどの症状が出る。極めて感染力が強く、感染してしまったら半径50m以上でも殺処分するしかない。

@口蹄疫の場合、生存する日数が9週間と長く、干草には200日も潜伏する。これが感染力の強さの秘密である。また、牛よりも豚が1,000倍菌を保有しやすく、今回の事例も豚に感染したあと、瞬く間に広がり、そしてついに、これ以上の幹線の広がりを防ぐ為に、県の家畜全頭を口蹄疫予防ワクチン接種のうえ殺処分しなくてはならなくなった。宮崎牛などブランド牛の源となるエース級の種牛6頭のうち1頭に感染の疑いありとされ、宮崎の畜産業が壊滅的になるのは時間の問題であるようだ。

@ある時期、何処かから入り込んできたことは確かだとは思う。先に書いたように干草に200日も潜伏する生きる力の強い病原体であるので、近隣諸国から輸入した飼料に付着していて、そこから感染しだしたのかもしれない。

@初期に病に冒された牛を診た医者の見落としも大きい。医者は一瞬、口蹄疫を疑ったが、まぁ違うかもしれない、と迷い、結局ただの下痢との診断を下してしまった。この医者は今まで何を学んできたのか。彼の判断ミスが今日の絶望的状況を齎したのは疑いない。彼は早速処断されるべきである。

@これまで、牛や豚を我が子の如くいとおしんで育ててきた畜産農家にしてみれば、この全頭殺処分の決定は、まさに刃物で自分の腹を引き裂くような心の大きな痛みを伴うのは想像に難くない。

@まだ生きている子供をわざわざ殺すようなものだから。しかし背に腹はかえられず、という諺があるように、これ以上の広がりを防ぐ為には如何しても、生きているうちに殺して処分しなくてはならない。畜産農家は血涙を絞る思いでこの決定に従うほかはないのだろうか。殺処分しなくても済む方法を、何故今まで確立できなかったのか。

@この事例をきっかけに、疫学の分野は口蹄疫というものをもっと綿密に研究しなくてはいけなくなるだろう。そうして行なった研究の結果、殺処分よりもはるかに効果的で、畜産農家の皆さんが悲しい思いをしなくて済むような、口蹄疫の新しい対処法が生み出されることを常に願いたいものだ。(しかし、何時になったらそのときが来るのであろうか?)

@それまでは口蹄疫の「呪い」なるものが、宮崎県のみならず、全国の畜産農家を覆うことであろう。
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Kimball

うーん、しかし、この世では
いつでも教科書通り!ということはないんでは?
今回の痛恨の見逃しが二度と繰り返されないように
この獣医師の経験がきちんと蓄積されることを
祈りますわい。
by Kimball (2010-05-24 23:18) 

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