この小世界は融けていくしかないのか? [独白]
@5月末からこの6月はじめにかけ、日本ではまた、この国ではすっかりおなじみの光景を見ることとなった。
@普天間基地問題や自らの政治資金問題、その他山積する課題に、十分に向かい合わないまま、首相の鳩山由紀夫が辞任。副総理と財務大臣を兼ねる菅直人が第94代内閣総理大臣の座に内定した。
@菅はさっそく新しい内閣の組閣に取り掛かったが、ここにもあの小沢一郎の影が差す。鳩山の辞任後、すぐに行なわれた民主党代表選挙で樽床伸二・衆院環境委員長が、菅をかなりの得票数で追い上げていたのだ。彼に票を入れたのは、党内最大集団である小沢グループであった。その後、彼は国対委員長に内定し、閣僚の仲間入りを果たした。
@やはり、いま組閣中の新内閣は、“脱・小沢”の旗印のもと、小沢に距離を置く人間を閣僚に据えるものの、幹事長はやめても自分のグループを率いて、隠然と権勢を握る小沢からは完全に逃れられないようだ。
@さて、ゾロメなきょう、6月6日は『ロールケーキの日』。ロールケーキを縦にするとアラビア数字の“6”の字になることから定められたという。その他「カエルの日」など、6月6日にはいろいろな記念日のタグがついている。
@カエルや紫陽花が喜ぶ日も近いというのに、如何もこの小世界はバタバタしている。きょうは日曜でしかも朝から明るく晴れた。きょうが入梅前の最後の晴れ間になったら、紫陽花たちのためにはいいなぁと、ふと思う。
@ところで、このばたつく小世界で毎日暮らしていると、各種メディアからはそれこそいろいろな『声』が聞こえてくる。
・民主党は政権をとったら傲慢不遜な政党になってしまった。
・今度の新政権も小沢には逆らえない。みんな小沢の“ごますり坊主”だ。
・反小沢・非小沢と呼ばれる人々も、表向き小沢に反対しているポーズを取っているだけ・・・。
@などと、幹事長の座を降りた権勢者への文句ばかりが聞こえてくる。が、もはや小沢や今の政権の揚げ足取りをやって、国民からの快哉を得ようとしている場合ではなくなっているのではなかろうか。
@この小世界が政局でもたついている間に、世界は先へ先へと進んでいく。中国と印度、韓国などが真に若くて優秀な人材を次々と“世界デビュー”させているし、iPadのデビューに象徴される情報伝達技術の更なる進化(日本も乗り遅れまいと必死なのだが・・・)も眼を見張るばかりだし、日本のお家芸であるはずのアニメや漫画の分野でも、外国作家が本当に優れた作品を発表しているし、とにかく活気、パワーに溢れている。
@振り向くと、日本という小世界では、『何時まで経っても景気はよくならねぇ』、『大学を出たのに職がみつからねぇ』、『何時派遣切りに遭うかわからねぇ』、『未来はお先真っ暗だ』・・・などと、少なくとも10年前からホトンド変わらない、希望を喪失した“つぶやき”ばかりが聞こえてくる・・・。
@個別にみると、そんな愚痴ばかりこぼしている人ばかりではない。世の中が悪くなっていくのにめげず、たくましく生きている人々も沢山いる。しかし何時まで経っても自殺する人はいなくならないし、貧困に苦しむ人の数が日々を負うごとに増えていっているようだし、家庭内暴力や「いじめ」もなかなかなくならない。昔と比べて競争の激しくなった社会の中で、人々がお互いを思いやり、広い心で受け入れる「共感」「寛容」の力が弱くなっているのが一つの原因らしい。
@2006年に小泉純一郎が総理大臣の座を辞して以来、日本はこの数年でなんと5人も首相が交代した。国政を担うリーダーがくるくる変わる国と言うのは、思うに最早、足元から『溶解現象』が始まっているのではないか。
@『溶解現象』を起こしている国というのは、世界から見て“黄昏る=没落していく”国なのであろう。こういう国は世界から「危ない国」と思われてしまうのだ。
@これはある雑誌に載っていたことだが、アメリカのシンクタンクグループ[Eurasia Group]が今年初頭に発表した『世界の十大リスク』によると、1位:米中対立、2位:イランの暴走、3位:EU(欧州連合)の内部分裂、4位:アメリカの金融規制とならび、5位:日本における鳩山内閣の存在が来てしまっていた。
@現在、その鳩山内閣は菅の新内閣に交代したが、内閣の課題への取り組み方次第では、シンクタンクがつけた危険度はそれほど変わらないかもしれない。
@今現在こそ内閣支持率が64%台に回復し、『脱・小沢』へのメタモルフォーゼが期待されているが、今の永田町で、謙虚な思想を持たない政治家たちが権力を握り続けている限り、そしてその政治家たちを、これも一種の『権力』と化し、本来の精神を忘れたメディアが彼等の揚げ足を取って足を引っ張り続ける限り、日本はこれからもずっと、“危険な小世界”と見なされていく筈だ。彼等に政治を任せていたら、政治はそれこそ『溶解現象』を起こし、結果この国は黄昏の中に沈んでいくに違いない。
@5年間に亙ってリーダーがコロコロ変わった民主党政権。菅の率いる新政権が若し、政策遂行の不徹底やスキャンダルなどで足元がぐらつき、結果またもや首相が交代するようなら、そして・・・この状態がこの先続くようであれば、日本の将来はますます心配なことになる。
@先ほども言ったことだが、いま、こんな狭い島国の中で、揚げ足取りや足の引っ張り合いをやっている場合では、もうないのかもしれない。
@今こそ私たちは、一人一人がそれぞれの立場で、この激変し行く地球社会で、世界とこれから渡り合っていくための『新しい知恵』を見出していくことを、真剣に模索しなくてはなるまい。
(2010・06・06更新/同・06・08一部加筆訂正)
@普天間基地問題や自らの政治資金問題、その他山積する課題に、十分に向かい合わないまま、首相の鳩山由紀夫が辞任。副総理と財務大臣を兼ねる菅直人が第94代内閣総理大臣の座に内定した。
@菅はさっそく新しい内閣の組閣に取り掛かったが、ここにもあの小沢一郎の影が差す。鳩山の辞任後、すぐに行なわれた民主党代表選挙で樽床伸二・衆院環境委員長が、菅をかなりの得票数で追い上げていたのだ。彼に票を入れたのは、党内最大集団である小沢グループであった。その後、彼は国対委員長に内定し、閣僚の仲間入りを果たした。
@やはり、いま組閣中の新内閣は、“脱・小沢”の旗印のもと、小沢に距離を置く人間を閣僚に据えるものの、幹事長はやめても自分のグループを率いて、隠然と権勢を握る小沢からは完全に逃れられないようだ。
@さて、ゾロメなきょう、6月6日は『ロールケーキの日』。ロールケーキを縦にするとアラビア数字の“6”の字になることから定められたという。その他「カエルの日」など、6月6日にはいろいろな記念日のタグがついている。
@カエルや紫陽花が喜ぶ日も近いというのに、如何もこの小世界はバタバタしている。きょうは日曜でしかも朝から明るく晴れた。きょうが入梅前の最後の晴れ間になったら、紫陽花たちのためにはいいなぁと、ふと思う。
@ところで、このばたつく小世界で毎日暮らしていると、各種メディアからはそれこそいろいろな『声』が聞こえてくる。
・民主党は政権をとったら傲慢不遜な政党になってしまった。
・今度の新政権も小沢には逆らえない。みんな小沢の“ごますり坊主”だ。
・反小沢・非小沢と呼ばれる人々も、表向き小沢に反対しているポーズを取っているだけ・・・。
@などと、幹事長の座を降りた権勢者への文句ばかりが聞こえてくる。が、もはや小沢や今の政権の揚げ足取りをやって、国民からの快哉を得ようとしている場合ではなくなっているのではなかろうか。
@この小世界が政局でもたついている間に、世界は先へ先へと進んでいく。中国と印度、韓国などが真に若くて優秀な人材を次々と“世界デビュー”させているし、iPadのデビューに象徴される情報伝達技術の更なる進化(日本も乗り遅れまいと必死なのだが・・・)も眼を見張るばかりだし、日本のお家芸であるはずのアニメや漫画の分野でも、外国作家が本当に優れた作品を発表しているし、とにかく活気、パワーに溢れている。
@振り向くと、日本という小世界では、『何時まで経っても景気はよくならねぇ』、『大学を出たのに職がみつからねぇ』、『何時派遣切りに遭うかわからねぇ』、『未来はお先真っ暗だ』・・・などと、少なくとも10年前からホトンド変わらない、希望を喪失した“つぶやき”ばかりが聞こえてくる・・・。
@個別にみると、そんな愚痴ばかりこぼしている人ばかりではない。世の中が悪くなっていくのにめげず、たくましく生きている人々も沢山いる。しかし何時まで経っても自殺する人はいなくならないし、貧困に苦しむ人の数が日々を負うごとに増えていっているようだし、家庭内暴力や「いじめ」もなかなかなくならない。昔と比べて競争の激しくなった社会の中で、人々がお互いを思いやり、広い心で受け入れる「共感」「寛容」の力が弱くなっているのが一つの原因らしい。
@2006年に小泉純一郎が総理大臣の座を辞して以来、日本はこの数年でなんと5人も首相が交代した。国政を担うリーダーがくるくる変わる国と言うのは、思うに最早、足元から『溶解現象』が始まっているのではないか。
@『溶解現象』を起こしている国というのは、世界から見て“黄昏る=没落していく”国なのであろう。こういう国は世界から「危ない国」と思われてしまうのだ。
@これはある雑誌に載っていたことだが、アメリカのシンクタンクグループ[Eurasia Group]が今年初頭に発表した『世界の十大リスク』によると、1位:米中対立、2位:イランの暴走、3位:EU(欧州連合)の内部分裂、4位:アメリカの金融規制とならび、5位:日本における鳩山内閣の存在が来てしまっていた。
@現在、その鳩山内閣は菅の新内閣に交代したが、内閣の課題への取り組み方次第では、シンクタンクがつけた危険度はそれほど変わらないかもしれない。
@今現在こそ内閣支持率が64%台に回復し、『脱・小沢』へのメタモルフォーゼが期待されているが、今の永田町で、謙虚な思想を持たない政治家たちが権力を握り続けている限り、そしてその政治家たちを、これも一種の『権力』と化し、本来の精神を忘れたメディアが彼等の揚げ足を取って足を引っ張り続ける限り、日本はこれからもずっと、“危険な小世界”と見なされていく筈だ。彼等に政治を任せていたら、政治はそれこそ『溶解現象』を起こし、結果この国は黄昏の中に沈んでいくに違いない。
@5年間に亙ってリーダーがコロコロ変わった民主党政権。菅の率いる新政権が若し、政策遂行の不徹底やスキャンダルなどで足元がぐらつき、結果またもや首相が交代するようなら、そして・・・この状態がこの先続くようであれば、日本の将来はますます心配なことになる。
@先ほども言ったことだが、いま、こんな狭い島国の中で、揚げ足取りや足の引っ張り合いをやっている場合では、もうないのかもしれない。
@今こそ私たちは、一人一人がそれぞれの立場で、この激変し行く地球社会で、世界とこれから渡り合っていくための『新しい知恵』を見出していくことを、真剣に模索しなくてはなるまい。
(2010・06・06更新/同・06・08一部加筆訂正)
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