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嗚呼、神楽坂。 [出歩く]

@7月最初の日曜日。外に出ると、蒸し器の中にいるが如き感覚になる。ので、家の中でPCと“にらめっこ”。しかし、長時間もこうしていると、流石に眼のあたりが重くなってくる。

@それでも、拙ブログを更新するのは、昨日の半ドン後の散歩で得たことを、記しておこうと思ったからだ。


@昨日の朝はややいつもよりも早めにうちを出て、電車の人になった。職場の最寄駅に着くなり、早足でスタスタと勤務先に向かう。

@勤務先の建物は、築40年を超える古い鉄筋コンクリート製。なので、空調設備は経年変化を起こしている。だから、懸命に仕事をすればするほど、体力・気力が汗となって全身から流れ出ていく。それでも、いつもよりも仕事をこなすスピードを速め、時計が11時を指す前にすべての作業を終了。

@作業終了して、ヨロヨロしながら控え室に戻る。畳の上で横になりながらTVを見る。体力がやや戻ったところで帰宅の準備をする。

@外へ出ると、まだ少々涼しい。最寄駅前のちゃんぽん屋「リンガーハット」で皿うどんを食べ、お昼を済ます。その後、小滝橋操車場方面行きの都バス車両に乗る。

@バスは虎ノ門から左に曲がって日比谷公園方面に行き、そこをまっすぐに。すると、例の建物が見えてくる。国会議事堂。そう、バスは永田町にやって来たのだ。

@本邦国政の中心である国会議事堂は、いまや選挙目当て、権勢と金権目当ての『政治屋』たちが幅を利かしすぎて、ある意味“伏魔殿”のようになっている。

@そんな永田町の体たらくに、国民はいまや絶望の域に達している。政権交代で世が良くなることを期待していたのに、交代した政権の中心人物が掛け値なしの「無責任」だった所為で、その期待はものの見事に裏切られた形となった・・・。

@来週に迫った参議院選挙で、現行政権に議席の過半数を取らせ、国政をゆだねるのか、それとも彼等の過半数獲得を野党側が阻止し、多党連立政権のような形が誕生するのか。

@いづれにせよ、国政の行方を決めるのは、我々国民だということを、心の奥底で通奏低音として鳴らしつつ、バスに揺られて、何時しか市谷あたりを通り越し、牛込近辺に。停留所が近づくと、降車ボタンを押した。

@降りると牛込附近は、思いのほか静かな町並み。車道から右側の歩道を歩く。途中で右に曲がって狭い路地に入る。家々の緑も濃き、くねる路地を幾度も辿ると、何故か何処かで見たような町名が眼に入ってくる。その町名に懐かしさと共に何処か複雑さを覚えた私・・・。

@矢来町。新潮社本社があるところ。でかでかとした村上春樹の超ミリオンセラー「1Q84」3部作のポスター告知がいやでも眼に入る。3巻とも今、結構売れに売れまくっているものなぁ。

@その脇を通ると、所々に邸宅や小さな出版社の社屋があったりする。新潮社創業家の一族も、ここに居を構えているという。その創業家の邸宅そばを通ると、やはり極めて厳重なセキュリティーがなされている。

@そうした凄い邸宅のある路地を抜けると、にぎやかな通りに出る。そう、ここは言わずと知れたあの神楽坂なのだ!

@神楽坂といえば、自分には特別な深い思い出がある。20年程前、矢来町の程近くに古い市松人形やハギレ、昔のおもちゃやブロマイドなどを置いてある『ほおずきや』なる骨董屋があって、私と当時の友人は、時折であったが、足しげく通ったものであった。

@江戸・明治時代から昭和初期にかけて作られたアンティークの市松人形たちは、今思うにある種の不思議なノスタルジーと、うっすらとセピア色を帯びた“エキゾティック”なクオリアを、我等の脳内から沢山立ち上がらせてくれていた。愛らしい人形たちとただ向き合うだけで、我等は十分に幸せであった。

@ほどなくして私たちはそこの女性オーナーや店員さんと仲良くなった。彼女らとは1999年ごろまでお付き合いが続いた。しかし、友人の帰郷や私の転職など、数年の間にいろいろなことが重なり、何時しか疎遠になってしまった。

@つい最近、『ほおずきや』のことを思い出し、店があった雑居ビルの地下へと向かったことがあった。が、すでに転居して久しかった。

@神楽坂でもっとも素敵な思い出を刻んだ店が消えてしまった・・・かかる悄然たる思いを胸に、そこを後にした。

@そんなノスタルジックな思い出が残る神楽坂。しかし、20年前に初めて訪れた当時の面影は、再開発が進んできているとはいえ、まだまだ、其処此処(そこここ)に残っていた。

@ブリキのおもちゃと駄菓子屋で売られているプラスティックのおもちゃを置いてある瀬戸物屋さん。漆器や陶器を売っている神楽坂下の専門店では、毎年夏になると店の軒先に風鈴がいつもぶら下がっていて、風が吹くたびに、澄んだ涼しげな音色を奏でている。20年前からずっと同じ。相変わらずでかい「五十番」の中華まん。

@昔は何処のお茶屋さんにもあった、模様のついたガラス製の丸いものがぐるぐる回りながらお茶を焙じる器械が店前に置いてある専門店(焙じ茶の香りが煙と共に流れてきて香ばしかった)。20年程前にもふらりと立ち寄った、素朴な中華屋さん。

@・・・時折古物のフリーマーケットがやっていた(今もやってるの?)JR/東京メトロ飯田橋駅前の駅ビル『ラムラ』の下を流れる外堀を見たら、なんとトンボたちが沢山飛んでいた。(黒い全身で、腰のあたりに白いバンドがついている、コシアキトンボなる種類)

@・・・数年ぶりで訪れた神楽坂の光景。私にとっては何もかもが懐かしかったが、この懐かしさを感じた光景も、今から10年も経ったら、がらりと変わってしまうのだろうか。無機質の高層マンションばかりが立ち並ぶ、花街だった面影も完全に消えた、浪漫も情緒もへったくれもない、血の通わない町になるのだろうか。若しそうなったら、トテモさびしい・・・。(泣)
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