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星人ロロン・第2部(8) [ドラマ・ミニアチュール]

☆「う~ん、それもそうだな…」虚空を漂う目つきをして、無表情に近い表情の男をみて、田茂木も呟くように言った。確かに、この男をおいて、惑星ソラリスへこれ以上の物見遊山なんて、出来るわけがない。

☆「それよりも、早くこの人を乗せて、エネルギーを満タンにして、出発しようよ」、ロロンがしきりに促す。

☆田茂木にして見れば、ソラリスは謎と好奇心の宝庫に違いなかった。彼は、ソラリスというこの不思議な水の惑星を、もっとたくさん探検したかった。・・・しかし、魂の抜けたようなこの身元不明の男が、自分たちの眼前に現われた為、その希望は打ち砕かれた形になってしまった。

☆「仕方あるまい。ソラリスの探検は、また今度にしよう」田茂木はそう独りごちながら、ロロンや身元不明の男と共に、ガルー号に乗りこんだ。ガルーのガスタロンエンジンには、いまシッカリと光子エネルギーが満タンになっていた。


☆名残惜しい思いを残し、田茂木は、ガルーの操縦桿を握り、思いっきり前に倒した。
 「3、2、1、0、ゴー!」
 
 ゴゴゴゴ…!

☆凄まじい轟音とオレンジ色の噴射炎を巻き上げながら、ガルー号はソラリスの大気圏を飛び出していった。


・・…………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


☆ロロンと田茂木茸雄は、この身元不明の男を、最新鋭の記憶探査装置にかけ、果たしてこの人物が何処の何者かを探ることにした。ガルーの船体には、実は予め最新鋭の記憶探査装置が取り付けられており、このマシンにかけると、思い出せなくなった記憶を画像表現モニターで再現する事が出来るそうな。

☆「や、やめろー、やめてくれぇ、何をするんだー!」、いやがり暴れる男を検査台に乗せ、沢山ある電極をつけた。ロロンが、装置のスイッチオンをした。

☆画像表現モニターに、果たして、画像が映り始めた。ロロンと田茂木は、固唾を飲んでこれを見つめていた。が、ものの5分後、2人の顔に大驚愕のいろがうかんだ。

☆何と、画像モニターに映し出されていたのは、自分達が以前、見覚えのある人物であった!「こ、こいつらは…」
(つづく)
タグ:SF小説
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