SSブログ

雨とダーウィン① [雑文]

@一昨日、上野は国立科学博物館で開催中の「ダーウィン展」(06/22まで開催)を見に行って来た。半ドンの仕事を終えてちょっとした私用を済ませてから、上野へと出かけた。

@今年3月18日の開催以来、ずっと行きたくてたまらなかった「ダーウィン展」。生物進化の道筋を我々の眼に見える形で初めて明らかにして見せた稀代の天才、チャールズ・ダーウィンの人となりと軌跡については、個人的に如何もうろ覚えの部分があったので、これをチャンスとして、彼の実像に、息吹きにふれてみよう、そういう思いを抱いて、会場へと入って行った。

@会場の入口には、9面のヴィジョン(だと思うけど、違っていたらごめんね)があり、其々、生き物たちのユニークな姿が変わり万古に映し出されていた。密林の地面を素早く走っていく大きなヤスデが、眼に残った。


@チャールズ・ダーウィン…白く長いヒゲに覆われた老年期の姿からは想像もつかないほど、生涯を通して子供のように瑞々しい好奇心を持ち、自然の不思議さに素直に感動する“センス・オブ・ワンダー”の人だった。

@チャールズの父方の祖父が、すでに孫の進化論を先取りしたような、生物進化の概念を示した著書『自然の神殿』を上梓していたことに驚きを隠せなかった。

@この人はそもそも医者だったが、詩集も出したり、植物学に関する本も出していたり、と、兎に角マルチに活躍していた、当時かなりの有名人だった。祖父のマルチな性質は、孫のチャールズにも受け継がれたのだろうか。

@母方の祖父は、かの有名な世界的陶磁器メーカー、ウェッジウッドの創業者だった。この人とダーウィンの祖父エラズマスが親友同士であったことにより、両家は縁戚関係を結んでいた。ダーウィンも長じて、いとこにあたるウェッジウッド家の娘と結婚している。

@子供の頃は昆虫少年だったダーウィン。まるであの養老孟司さんを思わせる。彼も養老さんと同じく甲虫が好きだったようで、標本にしてラベリングし、箱に入れてコレクションしていた。カブトムシやテントウムシなど、いろいろな種類を集めていた。

@ダーウィンの遺した、親しい人に当てた手紙などを見ると、少年のようにキラキラした好奇心の煌き、ユーモア、おっちょこちょい振りを見る事が出来る。

@たとえば、ビーグル号で航海の途上、洋上でタコを捕まえた時のことを恩師に書き綴った手紙では、
 「僕はタコの習性を何度か観察し、とても興味をもちました・・・・・・タコは長い脚と吸盤を使い、とても狭い隙間にからだを滑りこませました……(タコが体色を変えることについては)僕の知る限り、これは新発見の事実だと思います」とえらく興奮気味に綴っている。

@残念なことに彼の捕まえたタコは、既に知られている種類だった。若きダーウィンは自らの未熟さと経験不足を思い知らされたという。

@会場では生きたガラパゴスゾウガメ1頭を見ることが出来た。ゾウガメの背甲が住んでいる島によってドーム型、鞍型に分かれているのに気付いたのもダーウィンであった。鞍型の甲羅をしているほうは、丈の高いウチワサボテンの葉を食べられるように変化したのだという。

@そのほか、生きたグリーンイグアナやベル角蛙、ガラパゴスの海イグアナと陸イグアナ、ダーウィンレアの剥製など、彼の『種の起源』を著すもととなった生き物や化石、植物、海生生物など、いろいろな資料や標本を見れて、彼の偉業の原点を確かめられた…というよりは、ダーウィンという人物のスケールの大きさ、家族そして人々に対する暖かさや優しさ、当時の既成概念に挑みつづけた知の巨人としての勇気ある態度に触れられ、ますます彼の凄さに感嘆した、というのが正直な感想だ。

@展覧会を見終わって、会場の外に。すでに雨が、シトシトと降っていた。雨に濡れる中庭の薔薇が美しかった。

@そういえばダーウィンは、薔薇よりもランに人並み以上に興味をもっていたなぁ。進化を知るのにこんなにおもしろい生き物はない、という視点で。(この記事つづく)
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。