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台風去りて。

@今年初めて日本列島に襲いかかった雨将軍・台風13号。昨夜(19日)夜半には関東を襲い、東京や埼玉、千葉などに暴風雨を齎(もたら)した。

@この激しい雨風が、朝の7時~8時頃になっても続くようなら、仕事は午後来てやってもいいというお達しを会社からもらっていたので、それまでゆっくり寝ていよう、予報がどうあれ、実際問題、天気なんてどうなるかわからないから、と思い、ゆっくり寝ているツモリでいたが、家人に「雨はもう大丈夫」といわれて、眠気ですっかり重くなっていたからだを起こした。時計の針はもう少しで午前4時30分を指そうとしていた。

@朝食を食べて出勤。早めに始めたので午前10時台に全て終了。控え室のTVを11時半まで見る。


@職場を出て、徒歩で銀座まで行くつもりでいたが、ふと「新刊」が出ていないか少々気になり、もよりの駅にある某書店に入って、これは!と思う本を探すが見当たらず。ふと「脳を活かす仕事術」(茂木健一郎著・PHP研究所刊)があったので、それをパラパラと立ち読み。『脳は生命を輝かせる為にある』という言葉にひきつけられる。けだし至言。

@結局山手線に乗って有楽町まで行く。銀座のアップルストアの4階はインターネット用スペースでYouTubeの視聴。きょうは主に『マッハGOGOGO』や『侍ジャイアンツ』、 『空手バカ一代』 『アパッチ野球軍』など、なつかしい`60~`70sアニメのオープニングテーマ映像を見る。他に『サイボーグ009』関連動画や、ニュースのパロディ映像など。

@アップルストアを出て、新橋方面に戻る。なんでも電通のアド・ミュージアムで面白い特別企画があるらしい。『広告青春時代・昭和の広告展-昭和20年~45年-』がそれだ。早速見に行く。戦後すぐに町に貼られた資生堂の原節子のポスターや、街頭テレビ、電気釜、「トリスを飲んでハワイへ行こう!」というコピーやキャラクターのアンクルトリス、小さな頃に見たレナウン「イェイェ」の広告など、高度経済時代の匂いが天篭もりの、私の世代にとっては懐かしいというか、ノスタルジーがいっぱいのものが沢山見られて良かった。これは昨年に同じアド・ミュージアムで開催された展覧会の、如何やら続編らしい。

@終戦とともにとうとうと押し寄せたアメリカの文化、ハーシーチョコ、コカコーラ、ディズニー、ブロンデイ…貧しかった我々当時の日本人が、超大国の豊かさに憧れを抱かせるに十分過ぎるほどのこれらの事物は、我等の脳内の、欲望を司る部分を大いに刺激し、消費に目覚めさせ、大量生産・大量消費の時代が訪れる。それど同時期に、新聞・雑誌・ラヂオに続き、第4の~そして今でも強力な影響力をもつメディアが現われた。それがTVである。

@NHKが1953年2月にTVの本放送を開始したのに続き、8月に民間第1号TV局として日テレが開局する。そのあと、`50年代後半にTBS、TV朝日、フジTVなど、民間TV局が相次いで誕生した。これらは開局当時から、魅力的な番組とCMをどんどん流し、当時の私達の購買意欲をピンピンと刺激し、おまけに余暇まで出来たため、私達は「消費とレジャー」を「美徳」とするようになっていった…。


@館内に三木鶏郎のコーナーがあり、そこに収録されている、彼がこれまで作ってきたCMソング名曲を聴く。


@キリン、レモン♪や、くしゃみ3回ルル3錠♪、あっかっる~いナショナル♪などのコマソンは、みんなこの人が作って、TVCMを通して広まっていったのだった。でもナショナルブランドの家電を作っている当の松下電器が、今度「Panasonic」に社名を変更し、Nationalブランドをやめて、シロモノ家電からTVなどに至るまで、Panasonicブランドに統一する…と聞き、それじゃあ、この「明るいナショナル」の歌はどうなってしまうのかな?と少し心配になったが、この歌も他のコマソンと一緒に何時までも僕等の心の中に残っていくに違いない…。戦後の高度経済時代を生きた多くの世代の胸に・・・、とあとで気付いた。

@鶏郎さんのコマソンを聴いていると、自分が昭和の30年代にいるような気分になってくる。あの時から1970年代までは広告も元気だったし、希望に満ちていた、と言うが、私が思うこの国の社会が今のように衰滅した根本原因は、あの高度経済成長時代にあったのだ。大量消費、大量生産、何が何でも製品を“生めよふやせよ”(←これってまるで戦時中のスローガンじゃん!)、といわんばかりに「もの」を作りつづけた。その一方で、環境やいわゆる差別、「心」にかかわることなど、これらのある意味根深い問題は、あまり省みられることがないまま、放って置かれた。

@あの時に皆が描いていた青空のような夢と希望は、`80sの終わりに「バブル」として限り無く膨れ上がり、`90sの初めにバチンと弾けてしまい、私達は具体的な夢も、希望のありかも見失ったまま、今ポスト冷戦とグローバリゼーションの荒波に翻弄されている…。

@そんなことを考えながら、ふと会場の天井をみあげると、透明なビーチボールで作ったオブジェが、シャボン玉のように見えた。あれは最後はバブルに化け、弾けていった昭和戦後の夢と希望の残照を象徴しているように見えた。
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Kimball

三木鶏郎さんのことを本記事で
はじめて知りました。
ご教示ありがとうございました!!

ナショナルの歌、好きでした!!\(^o^)/
東芝(♪ひかぁるぅ...)やNEC(♪せかいにのびぃる)の歌は
ちがうのでしょうかのう?\(^o^)/
-----------
いつもながら、銀鏡反応さんの「帝都散策」シリーズは
興味深く読ませて頂いています!!
(って、コメントがすっかり遅れてすみませぬ)\(^o^)/
by Kimball (2008-09-30 23:18) 

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