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「無知の知」の欠如。 [独白]

@「無知の知」…これはかのソクラテスの残した言葉といわれ、人間は、自分にはまだまだ知り得ないこの世のことがあるということを知ることである。または人間が生きている間に知り得るものごとは、無限に広い宇宙から見れば、しょせ僅かなものであることを人間自身が自覚することでもある。

@それはまた、無限に広がる世界というものに対し、謙虚な姿勢を以って引き受ける、ということも意味している。

@しかし…!昨今、インターネットの言動には、この「無知の知」の欠如が溢れている、と言っている人がいる。特にこのアジアの東端から発信されるネット言動には、自分がネットサーフィンを試みたところ、それが溢れているらしい。

@この間問題になった、有名人ブログへの悪意に満ちた誹謗中傷コメント、いくつかの特定的集団に対する、性懲りもなく繰り返される、根拠なき悪意とルサンティマンに満ちた批判的言動、あるいは、露骨な性的描写、またあるいは「裏サイト」と称するものにおける、「うざい」「お前死ね」といった、他者へのいわれなき誹謗中傷…。まぁ、眼を通せば通すほど、こっちの精神的健康が脅かされそうな言動が、結構満ち溢れている。

@こうした言動から、匂いたってくるものは、「我賢し」といった、自分はさもすべての事を知っているかのような、思い上がった態度である。これこそ、「無知の知」の欠如としか言い様がない。

@およそ言論には賞賛もあれば、批判もある。それは古今東西変わらぬ言論の特徴であろう。若し全て褒め褒めか、或いはケチョンケチョンばかりであれば、それは単なるべた褒め、もしくは悪口に過ぎず、まことの言論とは言えない。多種多様な意見が溢れているからこそ、言論は言論たり得るのである。

@問題は、対象物に対して、キチンとそれが何者か弁えず、ただなんの証拠も根拠もない誹謗中傷を繰り返すことである。これが言論の中に夥しく溢れている場合は、その言論は健全なものとは言えない。

@本邦におけるネット言論には、そのような不健全なものが、如何見ても溢れているようにしか思えない。そしてそういう言動が、そのまま書き手の「無知の知」の欠如を露わにしているように思える。

@これからネット社会が複雑化していくにつれ、「無知の知」は、未来を賢明に生きるための、必然的な理性的態度として、益々必要になってくるのではないか。

@それゆえ、この「無知の知」の欠如は、日本におけるネット言論の未来に、極めて拭い難い、暗澹なるものを齎しかねないのではないか、と思っている。

@追記:巨大掲示板群や芸能人のブログに悪質な書き込みをするような輩は、もはやその言動自体、「無知の知」の欠如をものの見事に証明しているといえよう。

@他者の心を慮ることのできない人間は、自分がその心に対して、所詮は何も知らない・・・無知であることを知ろうとせず、思い上がった言動をとるものだ。
タグ:無知の知
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Kimball

BLOG,ネットって、小生は
自らの「無知の知」を本当に思い知る
すばらしいツールだと思います。

BLOG,ネットがない昭和のままで
生きていたとしたら、ほんと「無知」という
自覚のない「無知」という、ある意味、
哀しい人間になっていたと思う凡人おやじです。

もっとも、無知を思い知りすぎて、ググり
ジャンキーになってしまうという、別の
哀しさにとりつかれてしまった、のかも..(T_T)
by Kimball (2009-02-21 15:06) 

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