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小さな王国。 [ぼやき]

@世界はともかく、日本という、この東端の狭い島国に住んでいる我々は、ネットにしろ、ケータイにしろ、自分だけの小さな”王国”を作って、その中に自分たちだけにしか通じない文化を作って、引きこもるようなことをやっている。

@写メールとか、絵文字とか、カメラ付きケータイとか・・・そういう「にぎやかガジェット」ものは、世界のケータイ文化にはない。あるのは、純粋なビジネスライクなメール機能と、ウォークマンやiPodが広めてケータイに移植した「音楽配信文化」だけである。

@日本人は、昔から一つのものにいろんなものを入れる「入れ子文化」や、ものを小さく作る「雛形文化」が好きなようだ。

@TVにブルーレイディスクプレイヤーを世界で初めて取り付けたのは、SHARPという日本のメーカーである。もっと昔、TVにラヂオを取り付けたのは、SONYとPanasonicが初めてである。

@それよりもずっと昔、TVを持ち歩けるくらいに小さくしたのは、SONYである。ポケッタブルラヂオを最初に作った所こそ、アメリカのメーカーであったが、それを高性能にし、世界に広く認知させたのは、これもまたSONYである。

@入れ子文化や雛形文化といった、ほとんど独自といっていい産業文化を作り上げ、日本は世界的に冠たる工業大国になった。だが!1990年代、バブルの崩壊と共に、その栄光もひたすら陰り続けていった。

@いまや、世界未曾有の大不景気だ。失業者が世界中であふれ、モノをいくら作ってもアイデアがなければ思うように売れない時代が到来した。就職できない若人が増え、その中から薬物に手を染め、廃人への第一歩を歩みだす者が多数出てきた。自殺者は毎年3万人で推移し、これからもっと増えるだろうと推測される。

@その間、日本人は、インターネットの世界に、一つの「自分だけにしか通じない文化の小さな王国」をこしらえ、その中にますます閉じこもるようになっていった。

@そのときに、昔TVやラヂオで使った「入れ子文化」を応用した。ケータイにはカメラ機能、音楽機能、ワンセグTV機能を押し込んで、情報伝達のみならず、快楽追求のモバイルマシーンに作り替えた。PCにはTVの機能を押し込み、TVがみれるように変え、最近では2011年7月を見込んで地デジチューナーまで取り付けているメーカーもでる始末。

@そのようにして、日本人は、自分たちにしか楽しめない快楽の王国を、ネットワークの世界の上にこしらえ、そこにこもるようになった。そして、刻々と激しく変化する世界状況と直につながっている、ほかの国のウェブ社会とは、全く違うウェブ世界を、構築してしまった。

@その特殊なウェブ世界に、私たちは、己の世界全体に対する無知をわきまえられない人間たちの発する、スカのような言動や、情報の洪水に、苦しめられながら、日々を送っている。
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風来坊

この本オススメしておきます。
『「縮み」志向の日本人』
http://www.amazon.co.jp/dp/4311605021
小さくするときと、大きくするときの日本人像を解説しています。
小さくするときの日本人像については、あなたが言っていることと似ています。
でも、この本の見所は、大きくするとき、世界に目を向けるとき、でっかいことを考えるときの日本人像です。
日本人論として、なかなかです。



by 風来坊 (2009-03-05 00:08) 

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