蟻と薔薇。 [詩的散文]
@青く、瑞々しくも固い、鋭いトゲの生えた薔薇の茎。その天辺には、あでやかに爛漫と咲く花が、太陽に向かって微笑む。
@その茎をよくよく見ると、緑色をしたゴマによく似た姿のアリマキ。無数に群がる、緑色の動く粒々。アリマキは薔薇の水分と養分を吸って、お腹の中で蜜に変える。
@その蜜は、アリマキのお尻からまるい透明な玉として出る。それを目当てに、黒い一団がやってくる。アリンコたちだ。
@アリンコはアリマキの出す蜜玉が大好き。それをもらって、美味しそうに飲んでいる。アリマキは相変わらず薔薇の水分を吸っている。沢山のアリマキのお尻から、透明な甘い玉が幾つも出る。それを飲む蟻、蟻、蟻の群れ。
@やがて、薔薇の茎の表面には、アリマキに水分と養分を吸われたあとが無数に残り、花はしなびて、色が悪くなっていった。
@アリマキと蟻とに全てを吸い取られ、しなび、枯れていく薔薇…。そこへ、一匹の黒地に赤い紋のついた、丸く小さなテントウムシが来た。
@テントウムシはアリマキを見るや、いきなり噛みついて、ガツガツ食べ始めた。旺盛なる食欲のテントウムシ。次々にアリマキたちに襲いかかり、食い殺していく。
@アリマキは、テントウムシに食われ続け、薔薇の茎の上から、次第に消えていった。薔薇は枯れていく我が命を拾い、やがて元気を取り戻した。
@のどけき春の日、穏やかな光に照らされて、薔薇は再び、あでやかな花を咲かすのだった。
@言葉を持たぬものたち同士の、生存を賭けた、弱肉強食の闘争。薔薇の花咲く庭とても、眼を見開けば、実にすさまじき戦場がひろがっているものだ。
@その茎をよくよく見ると、緑色をしたゴマによく似た姿のアリマキ。無数に群がる、緑色の動く粒々。アリマキは薔薇の水分と養分を吸って、お腹の中で蜜に変える。
@その蜜は、アリマキのお尻からまるい透明な玉として出る。それを目当てに、黒い一団がやってくる。アリンコたちだ。
@アリンコはアリマキの出す蜜玉が大好き。それをもらって、美味しそうに飲んでいる。アリマキは相変わらず薔薇の水分を吸っている。沢山のアリマキのお尻から、透明な甘い玉が幾つも出る。それを飲む蟻、蟻、蟻の群れ。
@やがて、薔薇の茎の表面には、アリマキに水分と養分を吸われたあとが無数に残り、花はしなびて、色が悪くなっていった。
@アリマキと蟻とに全てを吸い取られ、しなび、枯れていく薔薇…。そこへ、一匹の黒地に赤い紋のついた、丸く小さなテントウムシが来た。
@テントウムシはアリマキを見るや、いきなり噛みついて、ガツガツ食べ始めた。旺盛なる食欲のテントウムシ。次々にアリマキたちに襲いかかり、食い殺していく。
@アリマキは、テントウムシに食われ続け、薔薇の茎の上から、次第に消えていった。薔薇は枯れていく我が命を拾い、やがて元気を取り戻した。
@のどけき春の日、穏やかな光に照らされて、薔薇は再び、あでやかな花を咲かすのだった。
@言葉を持たぬものたち同士の、生存を賭けた、弱肉強食の闘争。薔薇の花咲く庭とても、眼を見開けば、実にすさまじき戦場がひろがっているものだ。
昨夜(4/8)のNHKニュースで、
スズメが桜の花の蜜を吸うということを
初めて知りました!!\(^o^)/
by Kimball (2009-04-09 22:15)