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ガツガツするな! [ぼやき]

@今年のノーベル物理学賞は、アメリカの3人の研究者に授けられることにきまった。

@授与される予定の3人…ひとりは光ファイバーテクノロジーの実用化に貢献した、もと香港中文大学学長、チャールズ・カオ氏と、あとの2人は、デジタルカメラなどの“目”ともいうべきCCD(電荷結合素子)を発明した、もと米ベル研究所のウィラード・ボイル、ジョージ・スミスの両氏である。

@現代のハイテク社会を支える2つの重要なツール、光ファイバーとCCD。これらを実用化し、あるいは生み出した功績を評価され、3氏の受賞が決まったのだ。


@カオ氏は1966年、光ファイバーが大容量の情報伝達に適していることを論文で指摘した上で、純度を高めたグラスファイバーを使えば、それまで20mが限界だった情報伝送の距離を一気に100㎞超までに伸ばせる可能性を示し、実用化への道を開いた。

@ボイル、スミスの両氏は、’69年、光を電子に変換する光電効果を利用し、集めた光を電気信号として読み取り、画像として組みたてるCCDを発明した。

@今、デジタルカメラの“目”は、そのCCDからCMOSセンサーに置き換わりつつあるが、ボイル、スミスの両氏がCCDの発明により「電子の眼」の領域を切り開いた意義は、その後の電子カメラ系ツールの普及と進歩のモノスゴサを考えると、まことに大きい。

@光ファイバーの可能性を切り開き、今のブロードバンド時代の先駆けを示したカオ氏の業績がなかったら、インターネットは、今でもナローバンドのままだったかもしれないし、光ケーブル電話も実現しなかったかもしれない。

@この受賞が決まったというニュースが流れた時、「日本人の受賞はありませんでした」、とアナウンサーが言った時、お前等、何を言っているんだ?という気持ちになった。

@日本人よ、そんなにノーベル賞が欲しいのかい?ガツガツするな!

@毎年のように、ノーベル賞が欲しい欲しいといっているような国の連中には、そんな賞なんかもらえっこないのさ。だいたい、今や『ノーベル賞も「サブカル」と化した』、と唾棄する識者もいる時代だ。

@2008年に3人の物理学者がノーベル物理学賞を受賞したが、3人のうち2人の受賞理由は、我々が住む世界の出来上がりかたに関わる、極めて大きな問題だったから受賞できたのさ(小林-益川理論、6つあるクォーク(素粒子の一種)のうち発見されていなかった3つのクォークの存在の予測)。

@ノーベル賞は、文学賞の候補に毎年のように、村上春樹が上がっているが、いまだに受賞していない。春樹さん自身も、おそらくは、ノーベル賞なぞたいしたものではない、と心の何処かで思っている筈だ。


@御菓子に餓えた子供よろしく、ノーベル賞が欲しい欲しいと抜かしてガツガツする前に、まずどんな物事でもよいから、自分の考えたい物事を、それこそ命がけ、本気になって考えて見るがいい。
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