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変わる世界。その流れからは逃れられない。 [独白]

@世界は転変し行く。世間で閉塞感などという、実は非常に居心地のよい灰色の箱の中に入って、そこから一向に出ようとしない、この東海の島国とて、その変化の流れからは、逃れられない。

@例えば、電子ブックリーダーの上陸に怯えている出版業界の古株たち。紙の本がなくなってしまうと思い込み、kindleとかiPadなどが何時上陸するか、びびり状態で、一向にその利点を評価しようとしていないのではないか。しかし、そんな出版業界の中でも、進取の気性に富む人々にとっては、こういう活字文化とウェブとの好ましい結合は、非常にとは敢えて言わないが、喜ばしいことなのに相違ない。

@何せ、古今東西津々浦々の、文豪の作品が、たったの数ドルで読めるのだ。著作権の切れた古い人の作品さえも、数百円の購読料を払えば読める。しかも、新聞記事などは、アーカイブとしてストック出来るように出来ている。(PCの場合といっしょやん!)実に有難い電網文化ではなかろうか。

@しかし、居心地のあまりによい灰色の箱の中にいる所為で、海外の事物に対する反応の鈍り果てた日本の出版業界にいる多くの人間たちは、これすらも、活字文化を衰退させる代物として、警戒の鎧を脱がない。

@しかし、電子ブックリーダーの隆盛への流れからは、仮令そんな出版業界と言えども、決して逃れることは出来ないはずだ。

@日本では、すでに以前から、ケータイやPCで小説などを読む習慣がある。しかし吾人が思うに、ケータイの小さい画面で文字のびっしり並んだ小説を読むのはしんどいし、Upされる小説の内容も、如何も“あまあま”な、婦女子の紅涙を絞るような、恋愛ものばかりが多そうだ。

@瀬戸内寂聴氏が「ぱーぷる」のペンネームでこれに挑戦したものの、書き上げた後で嫌になってしまったのも記憶に新しい。これにはいろいろ理由があるだろうが、読者の若い感性に合わせるのがしんどかったのと、あともうひとつ、ケータイの画面サイズの所為もあるかもしれない。PCはPCで、如何も「アキバ系」の匂いのする、冒険小説が多くUpされている感じがして、一般人はなじめないかもしれない。

@今回の状況は、媒体がケータイ&PC主体から、A4ノートくらいの大きさのkindleやiPadに変わるだけのことである。そうなると、非常に読むのに難儀しなくなるので、寂聴さんのような年配の文学者でも、多少は書きやすくなるのではないだろうか。

@それに、前にも欠いたことがあるかもしれないが、決して紙媒体を駆逐するような、そんなツールではないと思うのだ。電子ブックと紙媒体とはおそらく並立して生き続ける筈だ。


@世界が大きく変わるとき、それによって新しく生まれたものを受け入れるか、それとも頑として拒むのか。受け入れようとする姿勢如何で、その社会の異文化の受容度と許容度、寛容さの尺度が知れる。

@日本がどんなに異文化への寛容度が低かろうと、世界の大きな変化の潮流からは絶対に逃れられない。電子ブックだって、結局は受け入れていくことになるだろう。


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