さようなら、ホムンクルスの壜よ。

＠目には見えない「ホムンクルスの壜」を被せられた、我々アジアの東の端っこで生きる民。

＠世界のダイナミクスを生む、偶有性から遮断され、「いい学校、いい大学、いい会社、いい伴侶、いい家庭」といった何もかも「いい」ずくめの人工的な「進路レール」を歩かされ、社会の「ロボット」か「歯車」として生きることを強要されるのだ。

＠そんな世界では、我々は世界のダイナミクスと付き合う術を身につけられず、ただただ、この「ホムンクルスの壜」の中で世界の「知識」だけを詰め込まれて、ロボットとして「教育」というより、「調教」されるのだ。

＠そういう世界で順応していくような奴等は「勝ち組」と呼ばれ、上等な地位を獲得し、やがて権力を握るようになる。権力を何時まで経っても握れない階層とはそこ大きな差が出来る。これが格差というやつである。

＠しかしこの格差というシロモノは、実は案外、人間が生み出した「幻影」であるかもしれぬ。権力者の思考回路も、渋谷でとぐろを巻くおしゃれ人間たちのそれも、実はまったく変わらない。何かを求めていく脳内のプロセスは同じだと、ある学者が述べている。

＠つまりは世界は案外フラットなのだ、という。そこを認めてしまうところに、私達がこの「ホムンクルスの壜」を壊す為のヒントが隠されているのではないか。

＠「ホムンクルスの壜」の中に居る我々はずっと閉塞している。このまま壜が割れなければ、閉塞はますます強まり、我々は苦しめられ、やがて滅びに至るだろう。

＠この世界はフラットだと認めつつ、この閉塞を破り、偶有性と不確実性、生のダイナミクスと向き合う力をつける生命哲学を見出せば、きっとこの見えない巨大な壜は、ガラガラガッシャーン！とそれこそ“音を立てて”割れる。

＠そのとき、我等はようやく、我等を斯く苦しめてきた閉塞から開放され、真人間になれるはずだ。

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