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寒桜咲き初める(戯れ歌) [詩作]

☆寒桜咲き初めし春風に我が魂は跳躍せり☆

 

☆好く使う掲示板にて…悪霊の跳梁するに、怒りを覚える!☆

 

☆此の世の混迷を豊かな泥とし、穢れなき白蓮は凛然と咲けり☆

 

☆菜の花や鉄路の築堤にいよいよと、そのかんばせを見せるなりけり☆

 

☆青空を見るに浮かぶは過ぎ去りし幼き頃の思い出の影☆


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記憶の再生 [詩作]

小さな頃からの、大切な思い出が沢山詰まった
 
所々塗装の剥げた、古い四角いカン。
 
 
 
私の記憶のまた向こうに押しやられた、忘れられた存在。
 
 
ある時、夢の中で自分の頭の中を歩き回っていた時、偶然、奥の隅っこに
 
それは、転がっていた。蓋がシッカリされたままに…。
 
 
何だろう?
 
私はそれを拾い、震える手で恐る恐る…蓋を開けてみた。
 
 
すると…!
 
 
オモチャのような、カラフルな極彩色に包まれて、
 
私の記憶の遠い奥に押し込められていたはずの、
 
数々の可愛らしい、瑞々しい思い出の中にあったものものが、
 
うわぁー、と飛び出してきた。
 
 
象が踏んでも壊れない筆入れ、
 
駄菓子やの店先に袋詰めにして売られていた安物のスターブロマイド、
 
食べたら口が真っ赤にそまる梅ジャム、
 
紙のように薄いソースせんべい、
 
ブリキの大きな銀色のオモチャロボット、車、火を吐くゴジラ、
 
シャボン玉セット、リリアンセット、折り紙、着せ替え人形、
 
夢中になったアニメや特撮ドラマの名場面…。 
 
 
 
私は忽ち感激に包まれ、歓びに満つる思いの中にいた。
 
 
その刹那…私の脳の奥底深く、
 
押し込められていた、セピアと化した幼少の日の思い出が
 
ビッグバンのようにはじけ飛び出してきた。
 
 
私は切なさに胸をつかれ、涙した。
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春が! [詩作]

ある日の路地にはストックが、桃色紫色の花々を開いて笑っていた。

空を見上げりゃ青空が、突き抜けたように笑っていた。

土を見たらばダンゴムシ、すこしずつでももぞもぞと、
いよよ目覚める時近し。

沈丁花の植え込みは、白と紫のつぼみの冠が、
開いて香りを放つのを、今や今やと待っている。

身に吹く風は未だ刃のように鋭けれども、

空が底の抜けたような微笑みを浮かべ始めたら、

待っていた春の日がもうすぐの合図です。

(2008/02/16)


kara‐kara. [詩作]

カラカラと音がするほど乾いた空気が

寄って立つ足下に、澱んで流れる。

凍りつく灰色を帯びた雲に包まれた天空が、

いまにも嗚咽をしそうに見える。

草原も枯れ藁いろになり、

カサカサと音を立てて、

ひんやりな刃の風に揺れ吹かれる。

 

自販機で買った、焼けるほどに熱いコーヒーカン。

凍った手で握ると、指先に温かい血がまた通い始める。

 

道行く人々は、寒々とコートの中に身体をうずめ、

スタスタと足早に家路を急いでいる。

カラカラ、カラカラ。

嗚呼…吹く風の音が、冬の精のけたたましい笑い声に変わってきたよ。

カラカラ、カラカラ。

春の精の来るまで、あといま少しの辛抱だ。

(2008/01/22)


0000. [詩作]

@渦巻くような、輝くような、大いなる希望と野望、綺羅星の如き好奇心を内に含んだ狂気を秘めて、夢見る知性達は今日も世界に隠された謎の扉を開かんと、体当たりで挑んでいく。

@あるものはこの三次元の向こうにある別の次元を見るために、

@またあるものは、今だ知られざる生き物の姿をこの眼でたしかめるために、

@そしてまたあるものは、人やほかの生き物の為すことがどれほど不思議なのかを確かめるために、

@また、またあるものは、人類最後の開拓地である脳の中で、如何に高度な意識と質感とが生まれるのか、その、そもそもの起源をさぐるために…。

@まるで巨大な風車の如く、ぐるぐる回りながら立ちはだかる、それらの謎に、痩せ馬ロシナンテに乗ったドンキホーテ・デ・ラ・マンチャが、何度も挑みつづけるが如く、周りのノイズもものともせずに、彼等はただひたすらに、立ち向かっていく。

@人々の中には、その姿に、ひたすら拍手を送るものあれば、嘲り侮蔑するものもあり。

@わたくしは、彼等に拍手を送る。それだけでなく、彼等と共に闘い、応援することを惜しむまい。

(2008/01/17)


光の中を走る電車 [詩作]

夢のなかで、光速で走る電車に乗った。

車内はガラガラ、座席には年寄りがひとりふたり。

空いている座席に腰掛けると、ふありとしたすわりごこち。

ああ、こりゃあ本当に気持ち好いな…!

 

しばらくして電車がすーっと動き出した。

漆黒に銀色に光り輝く星が散らばる夜空を

透き通った水晶の車窓から見つめている。

 

そんな夜空の真ん中を、滑らかに、飛ぶように、

快適に電車は走行しゆく。

あまりのスムースさに、年老いたお客さん達は

皆様すっかり白河夜船の夢の中。

 

やがて電車は、光り輝く青雲の真ん中に向かって

すべらかになめらかに、速度を上げて、走り出した。

たちまちに眩き光輝の中に包まれ、全てが明るく、温かく、

お客さんたちの、心の中に潜めている根源の光も、

強く明るく輝き始め、大きな歓喜がわきおこる。

 

私たちは明るく若やぎ、談笑し始める。

周りは益々明るさを増し、

私達は電車ごと、その光と一体になっていった。

 

地上では私の家族たちが

何時までも帰らない私がいつ帰ってくるかを

待ち焦がれているだろう。

だがもう帰れない。

私はあの星雲の中の光と一つになってしまったのだから。

 

ややしばらくして光が消え、暗くなり、

私は静かに眼を開いた。

ふと起き上がり、あたりを見まわせば、

嗚呼そこは、いつもの我が寝室であった。

 

こうしていつもの朝が、また始まる。

(2007/12/03)


緑に包まれて泣く [詩作]

秋が深まる前、錦秋の暖色系に染まる直前の深緑の茂みの中で、

世間の冷たさを思って、ひとり泣く。

硬いコンクリートと硝子の世界でのうのうと暮らしている

せわしない連中の心無い侮蔑の言葉を浴びせられたからだ。

 

…うざい!…生きる価値なし!…ゴミ!

 

おれは、そんなに、うざいんか?

そんなに、生きる価値がない存在なのか?

おまえらからみたら、ゴミ、なのか?

…悔しくて悔しくて、後から涙がじんわりとあふれてくる。

 

おれはたまらず、どこかに駆け込んだ。

駆け込んだところは、鬱蒼とした木々やつる草が生い茂る深緑の世界。

佇んでいると、優しい気配に包まれるとともに、涼しげな風がそろと吹いてきた。

 

緑色の匂いを含んだ湿っぽい土の上に涙をこぼしたそのせつな、

おれは緑の精に何時の間にか、抱かれていた。

緑の精は頭につる草と薊の冠を頂いていて、

その身体は、淡い緑の葉のような色の、

薄羽かげろうの羽根のように薄い衣をまとっていた。

 

俺の前にさしのべられた、彼の右手を握り締めた途端、

堰を切った様に安心したのか、涙が後から後から溢れ出して、

泣けて泣けてしょうがなかった。……。

彼のもう一方の手は、泣きじゃくるおれの肩を

優しく抱いていた。

 

 

そうしてしばらく、泣き明かして、我に帰ったら

そこには緑の精の姿などはなく、

欅の大木があるだけだった。

 

狐に摘まれた顔でしばらくぽかんとしていたが、

欅の大木に手をやると、ようやくきづいた。

おれはこの欅に慰められていたんだと。

湿ったいきれを含んだ深い緑の優しい気配に

抱きしめられていたんだと。

 

あれからすぐに不思議と生きる力が

腹の底から涌いてくるのを覚えた。

欅よ、緑の世界よ、ありがとう。

(2007/09/23・改訂:2007/09/24)


文明の底辺。 [詩作]

硝子と鉄の組み合わせで出来た、

いろんな形の摩天楼。

下に蠢くさまざまの、

余裕のない衆生の姿。

通勤服の男あり、

派手ワンピースの女あり、

リュックサックの若者に、

歩みおぼつかなき老爺老婆。

実にいろんな人間が、

のべつ幕なく蟻の様に、

せかせか忙しなく行き交い続ける。

 

彼等の間に流れる空気は、

何故か澱んで濁ったままに

沢山の人いきれとなりて、

町の底辺に流れ行く。

 

澱んで濁った人いきれ、

その匂いをかいでみりゃ、

爽やかな希望の香りなく、

臭ってくるのは饐えたあきらめ。

どうせこの世は変わらじと、

決めてかかっている匂い。

人のことなど如何でもよしと、

周りに何が起ころうと、

知らん振りする匂い。

 

レモンのようなさわやかな

明るい希望の芳香は、

いったい何処に消えしとぞ。

すずらんのように床しき

思いやりと愛の芳香も

何時しか何処かに消えしとぞ。

 

文明の底辺に流れ行く

人の発するいきれの臭気。

饐えて重くなりすぎて、

息苦しさこそおぼゆれど、

さわやかさとはほど遠し。

(2007/09/20 04:45 am)


私は屈しない。 [詩作]

私のことをひゅうひゅう、ひゅうひゅう、といった感じで、

「あいつは口先だけだ」とか

「あいつは、卑怯卑劣な野郎だ」とか、

あることないこと陰口を叩いている奴がもしいたら、

おれは、そんなやつじゃない!と言って、

平手打ちの代わりに、このような詩を書きながら、

自らの真実を行動をもって証明するだけさ。

 

奴等がたとえその姿を、見て居なくても

また、誰が見てようが、見てまいが、

おのが真実の行動は

天が、地が、緑が、そして宇宙が認めてくれるだろう。

 

口先だけなのは、誰か。

卑怯卑劣なのは、誰のほうか。

勝負はすでにきまってはいるものの、

まわりの人々にはその勝負が見えないから、

卑怯者とか口先野郎とか言われるのは、いつもおれのほうだ。

 

おれはたしかに行動が遅い。やる気がないとさらに遅い。

芸術家になると天地水明に誓いながら、

その為の努力を今までしなかった。

それだから、口さがない連中に

陰口を叩かれるのは当然なのだ。

 

しかし、これからは、芸術家として生きる前に

まず人間としてまっとうに生きることにしたんだ。

他人を傷つける嘘をつかない、人に迷惑をかけない…。

この、子どもでもわかるりくつの、善のいましめを

いま大人になってから、もう一度胆に深く深く命じて、

心強き善人として、より良く生きると決めたんだ。

 

口先だけの卑怯者……。

おれはそんなやつじゃない!

おれは、絶対に負けないぞ!!

 

裏で人の陰口を叩く連中に

これ以上、笑われて堪るか。

おまえらのような連中なんかには、

絶対に、負けないぞ!! 

 

必ず君等よりも高等な境涯になりて

一生をまっとうしてみせる。

今に見て居るがよい。

(2007/09/09)


炎熱・灼熱の日々は何時過ぎる [詩作]

炎熱・灼熱の日々は何時過ぎる。

何時何時、涼しき日々は来るや。

 

うだりて死ぬような熱波に包まれ、

前進の細胞から水分と養分とを蒸発させんとする、

嗚呼、地獄の如き炎熱の日々。

 

蝉も生殖の為に、大音声で歌を歌い、

おのが短き生涯を愛の情熱で燃焼させ、

力尽きて地面にポトンと落ちる。

 

いまわのきわの蝉の瞳には、

烈日の残光、しかと焼きつきたるや。

やがて彼の小さな脳から意識が消え、

彼は静かに息絶える。

 

そうこうしている間にも、

地球は公転し行き、季節は移り過ぐ。

 

やがて涼風に包まれ、秋の精たちが草叢で

愛の歌を奏でる時が訪れる。

 

夏の精たちはすでに大地に帰りて、

草木の生きる良き糧となる。

 

地面の奥底には、新しい命が

すでに蠢き、息づいている。

夏から秋への時と空気の流れ、

四次元の裏がわにあるという余剰次元の世界にも

四季というものはあるのだろうか。

(2007/08/23)


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