晩春の若緑と脳科学者。

＠さわやかでからっとした晩春の若緑、輝くばかりに日に映える。陽光燦と道を照らし、人々の心を浮き立たせている。

＠嗚呼5月は好いもんだ。若葉と鯉のぼりの季節。花菖蒲の咲く季節。オタマジャクシがカエルになる季節だ。水温み、魚も生き生きと泳ぎ回り、鳥や蝶や蜂や蟻たちもいそいそと動き回って恋の季節。

＠かわいい鳩が2羽でいるのをみた。片方が自分を大きく見せて、ぐるっぐ〜ぐるっぐ〜と鳴いている。どうやらプロポーズのようだ。しかしメスはなぜか超・無関心！　その気なんてないよ、という素振りである。

＠ぐるぐる鳴いていた雄はそのメスをあきらめ、飛び去っていった。

＠花壇の花もパンジー・ヴィオラのますます綺麗に咲く時期。路地をみれば雑草に混じってひょろひょろした朱色のちいさな罌粟（けし）の花が可憐に咲いていた。この花、最近よくみるなぁ。もしかして帰化植物かな？

＠蒲公英、ハルジョオン、ヒメジョオンの咲く時期。そろそろ薊も花開くころが近い。

＠すみれの頃は過ぎ去り、いまはライラックの咲く時期だろうか。でもライラックは俺の住んでいるあたりではぜんぜん見かけない。北海道の札幌あたりではいまごろ咲いているのを見かけるそうですが、東京では見かけないねぇ。

＠東京、といえば本日（5月3日）、六本木のミッドタウンを見学しにいったよ。さすがにGW後半だけあって、えらい人出だったよ。ひー。やだやだ。でもモニュメントと建物の壁面はとても面白かったよ。

＠テラコッタ色の大理石を使ったミッドタウンの壁面をよくよくみると、渦巻き型のアンモナイトや珊瑚など、古代生物の化石や痕跡がたくさんあるんだよ。今度行ってミッドタウンのテラコッタ色の壁面をよく見て御覧よ。化石好きにはえらく面白いだろうと思う。

＠あとミッドタウン内の買い物モール「ガレリア」地下にTSUTAYAのブックショップがあって、何かないかとさがしてみたら、あった！ずっといろんな本屋を探していたが見つからなかった、茂木健一郎著「意識とはなにか」。

＠早速買って、前書きを読む。意識の解明というのはいかに難儀であるかを、この本を通して再確認するのだ！　つまりこの一年半ほど、茂木博士から仕込んでもらったクオリア探求学というものの復習を、この本を読むことを以てするのだ。いま茂木博士はTVに出たり、いろいろなジャンルの学者と語り合ったり、とにかくいろんなことをしているのだが、彼の根底にあるクオリア/意識の根源探求の意思は薄れるどころか、まったく変わっていないところがとにかく好い。表面的にはどんなにいろんなことをしていても、自分の根本の、本懐的なところを変えてはいけないということを、この茂木健一郎という人物から教わった、そんな気が今している。

＠茂木健一郎という人は、一応科学者というカテゴリーの人なのだが、最近は哲学者的側面が強くなっているようである。科学者と哲学者との危うい境界線の上に、しかしきわめて絶妙なバランスを保って生きているのが、茂木健一郎という一人の学究者ではないか、と思う。

＠しかし世界には、茂木健一郎以外にも、二つ以上のジャンルにまたがって活躍している知性と哲学をもつ人がたくさんいる。そういう人がこの新世紀にもっと出てきて活躍してほしいと思う。日本のように学究者たちのカテゴリーを文系／理系と分けて考えているような国は、そういう人をおおっぴらであれ、陰であれ、軽蔑しがちである。茂木博士も、実は陰で「何だあいつは！フワフワしているやつ！」と悪くいわれているのである。しかしそれでは、もうこのままいったら、これからの時代、絶対に取り残される。

＠たこつぼ≒サイロ的な学究者は、もう時代の流れに適応できない。いまはグーグルで理系文系関係なく、どんな時代の文献も検索可能である。そういう時代に自分の専門に閉じこもっている学者はこれからは笑い者にされるだろう。

＠春は暮れ行き、初夏に入らんとしている。若緑が濃くなりゆく晩春の風に吹かれながら、茂木博士はいま何を思っているのだろう。

コメント 2

凡人オヤジごときがおこがましいですが、
銀鏡反応さまが書かれているような「茂木健一郎」
博士のご様子は、欧米での一般的な「科学者」「知識人」
の当たり前のご様子のような気がします。

いやいや、日本の「ほんまもん（一流）」の科学者さんは
みんなそうなんではないかと？

ただただ、その様子をちゃんと伝える「ジャーナリズム」が
ないという不幸が蔓延しちゃっているんではないかと。＼(^o^)／

なんだかしらんけど、この国の「自称ジャーナリズム」は
受け手たら「オイラ」たちをバカにしすぎているように
感じるのはアッシひとりだけでしょうかのう？＼(^o^)／
by Kimball (2007-05-04 09:51) 

＞yutakami様
nice！有難う御座います。

＞Kimball様
nice！＆コメント有難う御座います。
茂木先生の日々の姿は確かに本当に優秀な日本の学者のそれであり、欧米各国の普通の学者のライフスタイルでもあると思います。

しかし、それを日本のマスゴミはキチンと伝えず、脳ドリルを売り物にしている学者ばかりをもてはやしがちでアリマス。
茂木先生への報道に対しても、先生に何か媚びている感じがしています。

先生はそれをきっと承知で、アホなマスゴミの間抜けな質問に答えているのでしょう。
by 銀鏡反応 (2007-05-06 20:06)