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5555. [詩作]

如何せん、いかんせん、緑は萌えれど、心はなへたり。


胸に希望の灯火点かず、思いはただ濡れる地面を


這うばかりなり、はうばかりなり。



今日も明日も、灰色の雲が青空を覆い隠し、


暖かな太陽の光をも、見せないようにしている。



人は命の力をドンドン弱め、

先の見えない世を、ただただ、さまよっている。


空の灰色は次第に鉛色へと移り、

大粒の水滴を地面に叩きつけ始めた。


ダダダダダダダダ・…!ダダダダダダダダ……!



雨が…雨が…あめが…家の屋根を打ちつける音が

反射して耳に入って行く。

機関銃の連続砲撃の如く。


アスファルトの道も、青葉の光る初夏の公園も、

雨の機関銃砲撃を、もろ浴びして、

濡れた漆のようにしっとりとつやを増す。


ダダダダダダダダ・…!
ダダダダダダダダ・…!

怒れる如く、激しい雨が、激しく強く、地を叩きのめす。


豪雨に打ちのめされるのは地面だけにあらず。

人の心も打ちのめされて、

青菜のように萎れたり。


嗚呼台風は近づけり…。

(2008/05/12)

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