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非情な判断。 [ぼやき]

@今問題になっているフィリピン出身のカルデロンさん一家の件について、入国管理局は、家族が日本移住の意志を変えなかったため、父親のみを強制収容した。あまりにも柔軟性と人間性を欠いた冷酷なやりかたに、極めて不愉快なものを感じ、腹が立った。

@だいたい、のり子さんだけが日本に残るのなら結構だが、一家全員の永住は(不法入国である限り)相成らん、というのが、入国管理局、および法務省、外務省の見解なのだ。

@が、カルデロンさん一家にとって、これはあまりにも非情で冷酷至極な処分であったろう。個々の事例をみて、彼等にとって妥当なやりかたは何かということを、彼等の事情を慮って、法的な措置を下す事もせず、ただ悪事を成すための不法入国の事例と一色たにして「不法入国した外国人は、仮令どのような理由があっても同じ法律違反だから国へさっさと帰れ」というのは、あまりに非人間的ではなかろうか。

@仮令どのようなやむをえないわけがあって日本に来ても、ただ「不法入国者」という「抽象的概念」的なくくりで、スネークヘッドなどと一緒にして日本から強制送還するのが「法的に正しいやりかた」なのだろう。彼等はそのやりかたに、忠実に従っただけであろう。

@しかし、子供を置いて祖国に帰れない、日本で生まれ育った娘のために、ここに暮らしたい、という一家の切ない思いに、彼等が本気で、真正面から向き合っていれば、今回のような処分は下さなかったろう。

@きょうの茂木氏による「クオリア日記」にもこの件について書かれていた。当の入国管理局は、カルデロンさんの場合、条文をただ振りまわすのではなく、上にも書いたように、いったい如何言ったやりかたが彼等にとってもっとも相応しい措置なのか、法の精神に則った上で、相手の痛みを直感し、妥当な判断を下すべきではなかったのか。

@日本の法律者たちは、他者の痛みに鈍感すぎると思うのは、私だけではあるまい。法律家達が、ただ既成の法律の条文を振りまわして、相手の立場や思いに対して直感的な認知力が働かないのであれば、如何して法律があらゆる人々の幸福に貢献することが出来ようか。
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