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黄昏の後で。 [詩的散文]

○遠いとほい昔、「神々」という高い人格者が統べる国があった。やがて、彼等は欲望を剥き出しにして権力争いに躍起になり、国は荒廃した。こうした「神々」のエラーによって、挙句には放火され、その国は炎に包まれて滅びていった。

○彼等の企みによって世界の希望を託され、やがて一切の矛盾を彼らによって背負わされて死んでいった英雄が居た。

○双子のきょうだい同士の近親相姦によって生まれてしまった哀れなその男は、結局は悪と奸智に長けた者たちによって陥れられ、最後にはあっけなく殺された。愛する人との美しい思い出に浸りながら。

○奸智に長けた者たちによってダマされ、生命を失った男の妻は、男の愚鈍なる故の純粋さをたたえ、「神々」を糾弾し、亡骸に火を放ち、炎と共に焼かれる英雄のもとに赴き、燃え盛る紅蓮の炎の中で既に炭化したお互いの肉体を離れ、2人の魂魄は、ようやく融合した。

○最早ここまでくれば、如何なる悪徳も2人を裂くことはあるまい。


○2人は融合した途端、高温の中で一気に純粋なる生命に昇華した。


○かくて『神々の国』は灰となり、世界の運命は人間達に託された。一方、2人の魂は光よりも速い速度であっという間に天空を突き破り、宇宙の果て目指して、高く高く上っていった。

○やがて、この生命エネルギーは、限り無く広い広い宇宙の中に輝く、数多の恒星の一つとなった。


○斯かる旧世界の滅亡によって、これまで「神々」に虐げられ続けた弱者たちは、本来の力を取り戻し、新しい世界を作り上げる原動力となっていく。


○さて…『神々』の作った古い国が灰になり、まっさらに新しくなった世界には、愛を捨て、愛を呪い通した男の怨念が残り、やがて、権力欲の魔性となって、地上の有力者達を酔わせていった。

○『神々の国』の消滅の後に築かれる『新しい世界」の人間たちには、これと闘い続け、平和な世界に保つ事が、一つの大きな使命となった。

○その使命を果たすためにか、英知≒叡智を持った新しく、賢い英雄達が、人間たちの間から生まれることになるのである。

(2009/07/16)
(2009/07/20改訂)
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