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水底の緩やかな動き。 [雑文]

@英国の歴史学者・A.J.トインビーは、自著『試練に立つ文明』で、新聞の見出しの材料になるような出来事は、「人生の流れの表面に浮遊している」ものと断じ、その上で、究極において歴史を作るものは「水底の緩やかな動き」である、と訴えている。

@TVや新聞で大きく取り上げられる、さまざまな出来事は、全て、人生の河流の表面にプカプカ浮かぶ藻屑やゴミのようなものだという。それらには歴史を変えることはできない。本当に歴史を変えられるのは、どんな“時流”にも揺るがない、常に力強く流れる人生の河の、水底深くの“潮流”だ。

@また、世間でチヤホヤされる多くの有名人も、河の表面の流れに似ている。また水面に浮かぶ藻屑やゴミのようなものでもある。中にはある程度立派な者もあるが、だからと言って、眩惑され過ぎてはならない。彼等は所詮、究極において世の中を変える力を持てない(あるいは持たない)存在なのだから。

@本当に世を変えることが出来るのは、世間に生き、しかも、世間の波騒(なみさい)を越えて、永遠を友とする境涯の人間達なのだ。人はそれを「庶民」と呼ぶ。


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