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生き物たちを見る。 [出歩く]

@久しぶりに『出歩く』のマイカテゴリーで文章をつづろうか。


@きょうは半ドン仕事が済んだ後、上野の動物園を見に行くのだと決め、駅前の『松屋』でお昼を済ませた後、駅に向かい電車に乗った。ひと時ガタゴト揺られるうちに、上野駅に。


@公園口から降りる。人でごった返している、晩春の上野駅前。みんなゾロゾロ、思い思いの行きたい場所に向かっていく。公園の桜は散り始めてはいたものの、まだだいぶ残っていた。そこへさーっと暖かい風が吹くと、ふわふわ~ひらひら~と桜の花びらが空中に舞い上がって流れていく。嗚呼、今年も桜吹雪の時がきてしまったのだなぁ・・・。

@ぬくぬくとした晩春特有の空気に包まれた中、風に吹かれて桜吹雪が舞い上がる。それが小汚い都会の風景を桜色にほんのり修飾してくれる。

@色とりどりのかわいらしい鳥たち、アジア象、サル山・・・などなど。動物園の有名動物を見て歩く。生き物たちは、何時見ても飽きない。檻に入れられつつも、何処か野性の気を秘めて生きている動物たち。

@その中でこれは珍しい!と個人的に思う光景を・・・見てしまった(汗)。

@ゴリラのコーナーに寄ったときだ。親子連れやカップル、年配など多数の世代の客が、ゴリラの動きを見ようと、硝子に張り付いていた。小さい子供がキィーキィー、きゃっきゃっ!と歓声を上げている。

@構内のゴリラはそんな観客の喧騒をよそに、自分たちの気の赴くままにすごしている。春の日の光がゴリラの居住スペースを照らし、彼等の黒い躯体をも照らしていた。

@しばらく見ていると、1頭の雄ゴリラ(背中が白かったからいわゆる“シルバーバック”だ)が、2頭いる雌のうちのある1頭に近づいた、と思ったら・・・。


@なんと、彼女の横に座るなり、いきなり小用を足した。おぉ~!その後、我々のほうへその雌が近づいてくると、雄も彼女の後を追って、我々のいる側にその雌といっしょになった。そして・・・。

@雄は雌のお尻へ自分の下腹部を押し当て、少し前後に動かした。・・・それはたった数秒で終わった。すんだ後ですぐに雄は雌の尻に鼻を押し付け、すぐに離し、雌のそばから離れ、端っこの奥まったところに落ち着いた。雌は雌で、我々に背を向けごろりと横になった。きっと行為の後、恍惚の状態になったのだろう。

@こうして、ゴリラの交尾を見届けた私は、そのままゴリラ居住区の反対側にある鳥小屋「バードハウス」へと入っていった。

@それから、珍しい“書記官鳥”(ヘビクイワシ)、ヒマラヤに住むというオグロ鶴(絶滅危惧種・レッドデータブックに記載)や赤く長いくちばしの色がさえるオイスターキャッチャー(都鳥)、その他いろいろな鳥獣たちを見た。その後で、不忍池のほとりに下り、コウノトリ、四十雀雁、白鳥、金黒羽白、桃色ペリカンその他を見る。みんな可愛い。

@それから、アイアイのいるマダガスカルの動物コーナーを見る。白黒のレムール(キツネザル)や環尾(ワオ)レムール、もちろん、アイアイも見た。しかしもっとも印象に残ったものは、テンレックという動物といっしょのケージにいた、羽なし巨大ゴキブリだった。

@このゴキブリ、全長が6㎝くらいでしかも、幅がふつーのゴキブリの2倍・・・。うううっ、やはり、キ、キモい。(怖)


@さて、その後、両生爬虫類館(ビバリウム)に入る。

@入り口近くのロビーにある水槽にはオオサンショウウオ、そこをぬけて熱帯の温室に入ると、所々に、巨大ナイル鰐、小型鰐、古生代からの生き残り・オーストラリアハイギョ、産卵以外はずっと一生水の中にいる鼈(スッポン)の近縁種・スッポンモドキ・・・などなど、面白い生き物を見た。

@「あし」というテーマの特別展示では、魚類(ハイギョとペットの熱帯魚)、東京ダルマ蛙とバジェット蛙、陸に上がれる子供スッポンと上がれない子供スッポンモドキ、カメレオンとヤモリ、といったふうに、変温タイプの四足(哺乳類も含めたこういう生き物を“tetra pod”と呼ぶらしい)生物が展示されていたが、展示の最後のほうで、それはそれはけったいな生き物が出てきた。

@四足のないミミズ状の足なしイモリ、アンフューマ(四肢の著しく退化した鰻型のサンショウウオ)、これまた足のまったくないヨーロッパヘビトカゲ、そしてもっとも驚いた足なし生物・ダンダラミミズトカゲ。何でもこれはヘビ類にもトカゲ類に属しない独立した科の生き物で、四肢だけでなく耳穴も退化してしまったという。

@ヘビ以外のこういう足なし生物は、アシナシトカゲ科のほかに、ヒレアシトカゲ科、ヨロイトカゲ科、一部のテユートカゲ科にも見られるという。

@硬骨魚類(肉鰭類=ハイギョやシーラカンスの仲間)から分かれて進化していった四足動物の「あし」は、その生物の居住する環境に合わせ、おのおの「水かきあし」、「ひれあし」や「ジャンプあし」や吸盤(アマガエルなど)や指下薄板(ヤモリやカメレオンが持つビラビラ状のもの)で壁にひっつく「ひっつきあし」や、カメレオンのように指と指が向かい合っている「対向性」を持つあし、樹の表面などに鈎爪で引っ掛けて歩く為の「ひっかけあし」などに変化していった。鳥の場合は前肢が「翼」に変わり、人やサルでは「手」になった。

@そんな生き物の中から、さらにどんな環境でも行動しやすいようにか、脚を全てなくしたものがでてきた。彼等は、あしのかわりに、腹の腹版や、全身の筋肉の伸縮を利用して、自由に動き回るようになったのだろう。

@しかし流石に、恒温動物である鳥と哺乳類だけは、脚を全てなくすことはなかった。もちろん、ダチョウのように翼が小さく退化したものはいるけれど、ヘビやその他のアシナシ変温動物みたいに、完璧にそれはなくせなかった。

@大きな怪我をした場合とか、生まれつきの畸形にでもならない限り、鳥や犬やサルや人間などは、四肢をなくすなんて出来ないのだ。四肢をなくすのは神ならぬ妙なる自然の法則が、変温四足動物だけにプレゼントした、彼等にとってはこの上ない「贈り物」であったのだ。

@そのあと、上野公園を去り、桜吹雪の中、家路に戻った。
タグ:上野動物園
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