SSブログ

2011年最後の更新。 [雑文]

@とうとう、激動と悲劇の相次いだ2011年も、残すところあと僅か。例年の紅白歌合戦が終わってしまえば、あとは2012年を迎えるだけだ。

@日本は、まだ一億余りいる人口のうち、東北沿岸の人口の2割を失った。震災前から若手不足、老齢化が進んでいた上に、それに追い討ちをかけたわけだ。

@しかし、復興の手助けをすべき政府は、その重責を充分に果たせなかった、というよりは、ホトンドそれを果たさなかった。身内の争い、分裂を繰り返し、今や与党は解党の汀(みぎわ)に立たされている。

@ありとあらゆるシステムの、ほころびがハッキリ見え始めたのも今年だ。来年になればこれらのシステムが大崩壊するやも知れぬ。

@世界に眼を移せば、アラブ社会はかのジャスミン革命に端を発した「アラブの春」があったものの、その後に弾圧があったり暴動があったりで、何かと不安定だし、ユーロは通貨としての信用を失い、対ドルでも対円でも安値を更新し、ついにロンドン市場で一時100円台を割り込むまでになった。

@ユーロ圏各国でもギリシャ、スペイン、イタリアの経済不安はなかなかソフトランディングしてくれないし、3国はそれぞれ緊縮政策を施行せんとするが、国民の反対は根強く、混乱はまだまだ続くだろうと思われる。

@さて国内に目を戻せば、先の震災で被災した東北3県の復興はなかなか進まず、特に福島では、原発事故で再び沸き起こった核の呪いの所為で、住み慣れたふるさとを離れざるを得ない家族が相次ぎ、若い者は次々と福島を去って新天地での生活をはじめた。しかしお年寄りにはそんな精神力はなく、住み慣れた土地と共に人生をまっとうしようとしている。放射能被曝という核の呪いを引き受けてまで…。

@嘗てあった共同体に存在した「絆」。そして「利他の心」。それを図らずも蘇らせたのは震災によるショックであった。「人の為に尽くしたい」という心が若者の間に芽生え、ボランティアに汗水流す青年たちが東北各地で見られた。
…今はボランティアの数は少なくなっているそうだが、「人の為に尽くしたい」という「利他」の心だけは、しっかりと残っている。この「利他」こそが日本人の「人間革命」=「自己変革」にとって大きな「肝」となっていると私は思う。

@震災までは「利己」、つまり自分だけが生き残りたい、他人を押しのけてでも、自分が出世したいというマインドがとても強かった、この島国の若い人間たち。「出来るやつ」と「そうでないやつ」の格差が広がり、カオス化を呈し始めたというこの島国の若者たちに「利己」から「利他」へのシフトを齎したのは、やはり震災だった。

@未曾有の悲劇を経験した、かの地の人々のために、何か尽くしたい。微々たる力であっても、それが彼らの生きる力にでもなれば…。その思いが、「利己」のマインドモードにどっぷり浸かっていた多くの若い人間たちの中に「利他」の芽を芽生えさせたのだ。募金やチャリティコンサートなど、沢山のイヴェントを行い、震災で心が傷ついた人々に生きる勇気を芽生えさせようとしたことは特筆すべきではなかろうか。

@被災して、復興に困難を伴いながらも奮闘する人々のために尽くそうとしている人たちは、決して「エリート」といった「特権階級」の人たちではなく、ごく普通の若者や女性たちをはじめとする市井の人々だった。彼らの「利己」に覆われた心から、眠っていた「利他」の意識が立ち上がったのだ。そうして彼らは、懸命になって被災地の復興の、手助けをこの9ヶ月間、有形無形でし続けたのだった。

@対して「エリート」と呼ばれる人間たちは如何であったか?彼らといえば…福島の原発事故への対応を誤ったばかりでなく、被災者の人々の心情を傷つける行為を繰り返した。復興担当大臣を仰せ付かったばかりの松本龍は、被災地の知事に向かって「智慧を出せ」などと“上から目線”の発言を繰り返し、世間の悪評を買い、すぐにクビになった。

@メディアはメディアで、相変わらずの醜聞追っかけに夢中になるわ、フリーの報道者を追放し、自分たちで固まって「記者クラブ」の維持に躍起になるわ、被災者の心情に沿わない報道を繰り返すわで、如何にもこうにも、社会の木鐸としての使命を全く果たしていない。奴等にはもはやジャーナリズムの良心どころか、「利他」の精神すらない。あるのは「飯の種」としてのゴシップ追っかけと、読者の不安を盛り上げるだけにしか作用しない真偽混同の「放射能ネタ」を連発した。彼らはさぞそのネタで大いに潤ったことであろう。

@そんな「ジャーナリズムの精神」のない報道者たちに、ジャーナリストを名乗る資格は最早ないのだ。フリーで本物のジャーナリストたちが充分活躍できる環境を、ネットを中心に整える時代が来るであろう。真実を知りたければネットを観よ、という時代がもうすぐ其処まできている。

@…というわけで、今年も有難う御座いました。来年もこの「パンドラの函」をヨロシクお願い致します。それでは皆様、来年も頑張りましょう!
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。