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8月6日の鎮魂、そして…。 [詩的散文]

@毎年のようにやってくる、8月6日。…1945年のこの日、午前8時15分17秒、ヒロシマの夏空に世界初の核兵器が炸裂してから、きょうで65年め。

@炸裂したのはウラン弾で、通称「リトルボーイ」。何と言う…恐るべき小さな少年!

@今思うも、実に実に呪わしい、核兵器による甚大なる被害を、世界ではじめて蒙ったかの地に、平和を叫んで亡くなっていった人々の霊への鎮魂と、恒久平和の実現と核廃絶の決意が、音もなく、静かに、しかし確かに広がっていく。

@その鎮魂と決意は、戦争を経験せずして人生を生きてきた、我等第二次世界大戦後に生まれた全ての世代の心の奥底にも、水面に広がる漣の如く静かに、しかし確かに、広がっていく。

@あの日以来、焼け爛れた姿を風雪に曝しつづけながら、原爆ドームは「1日も早く真実の平和を実現せよ」と声なき声で呼びかける。

@ドームはさらに呼びかける。…一日も早く、核兵器をこの地球上から完全に殲滅せよ…と。


@先の大戦の"勝者"は、今も核兵器を所有しつづけている。そして大戦後もビキニ環礁で、のちにはムルロア環礁で、核兵器の爆破実験を、なんとかの一つ覚えのように、繰り返している。

@今もカンボジアの各地には、完全に処理してない地雷が、まだ地面に沢山埋められている。それを知らずに踏んだりした人たちが、命を落としたり、手足を無くしたりしている。

@…こうした戦争の“のろい”は、いまだ地球上から、消えてくれない。為政者や戦争当事者達が、それぞれ己の都合やら主義やらにこだわっていて、その呪いを消そうとしないだけかもしれない。

@呪いがあったほうが、彼等にとって、何かといろいろ、“お得”なのであろう。しかし、大衆にとっては、戦争の呪縛は損と不幸を齎しつづけるものでしかないはず。


@あの夏の真っ青な空のような、抜けるように青く、燃えるが如き熱き太陽が、ががっとその強き光で照らしつけるきょうは65年目の、ヒロシマ・原爆の日。

@やはり時代は変わったのであろうか。・・・戦勝国の首脳たちが、何とヒロシマの平和記念公園を初めて訪れ、被爆して死んでいった人々の霊に、生存者や少年少女、ヒロシマ市長らとともに、“哀悼と鎮魂の祈りを捧げた”らしい。

@しかし、彼等は本当に、心の底から、本気で「あの悪魔の兵器を落としてしまって申し訳ない」と思っているのだろうか。オバマが核廃絶への決意を演説で述べたから、彼にただ「倣って」いるだけなんでしょ。

@まぁ、たしかに、今でも大多数のアメリカ国民が思っているように「原爆」=核兵器と言うのは、「あの戦争をさっさと早く終わらせる為の必殺ツール」だったんでしょ。

@けれど、その「必殺ツール」の所為で、いったい、何千人、何万人もの人々、犬猫、小動物が犠牲になったと思っているのか。…これはナガサキについてもいえることだ…

@そのことを考えたら、「アレのお陰で戦争が早く終わったんだ」なんて安易に口に出せないよ、オレが若しアメリカ国民だったらね。

@イマドキのアメリカの人間は、この間の911のテロは風化させるな、とよく言うらしいけれど、自分たちが1945年にヒロシマとナガサキに世界初の核兵器を落として爆裂させたことは、いまだに「英雄的快挙」のように思っている節があるようだ。

@でもその「英雄的快挙」が若し、何処かのお馬鹿な核保有国によって、アメリカの、それもニューヨークはマンハッタンのど真ん中で、たったいまやられてごらんなさい。


@それこそもう「日本への核兵器投下は英雄的快挙」だなんて、口が裂けてもいえなくなるはずだよ。911の何十倍、何百倍、何千倍もの死者が出るよ。

@…そうなったら、ヒロシマ・ナガサキ以後も、自分たちが砂漠や、南の珊瑚の島で、爆発実験を繰り返してきた、悪魔の兵器の恐ろしさを…恐ろしい、という言葉すら出せないほどの…自分たちの魂の芯で、トコトン味わい尽くすことだろう。


@きょうもあの日のように、否、あの日以上に暑かった。あの日のように真っ青な空と、眩い太陽が私たちの頭の上にある。

@ただ、65年前の同じきょうは、太陽が二つになり、その一つがぴかりと光ったかと思うと、一瞬でヒロシマの町全体を、人々を、犬猫を、小さな生き物たちを、草木を、焼き払って消滅させた。

@それから2日後、悪魔の兵器は、ナガサキにも同じ惨禍をもたらしたのだ。プルトニウム弾「ファットマン」である。

@彼等は一瞬で焼かれるとき、どんな思いを抱いていただろう。いや、思いを抱く暇すらなく、一瞬でこの世のものではなくなっただろう…。

@そして、ヒロシマ・ナガサキ以後も、悪魔の兵器たちは、いまだに、粛々と何処かの核保有国で作られつづけているに違いない。国際社会には内緒のないしょで。

@「戦争は人の心が起こすもの」という。ならば、核兵器への執着、そして、戦争への誘惑を、断ち切って、人々の心のベクトルを、戦争への欲望増大から、非暴力と生命尊厳の精神の宣揚へと向けなくては…。

(Aug.06.2010)

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