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我等はミュータント(mutant)。 [詩的散文]

☆ミュータント、突然変異体、他とは違った特徴を持って生まれたものたち。



☆自然界では、黄色いスッポン、白い雀、白い鴉、ピンクのばった…そんな彼等がミュータント。長く生きられないものもあれば、そうじゃないものもいるという。



☆遺伝子とか染色体などの配列ミスや物理的変化・・・DNAの損傷やコピーの失敗、染色体の損傷などによって、体の特徴や内部機構が普通とは違った状態になって、この世に生まれたミュータント。



☆ミュータント、・・・それは、他とはハッキリと違うものを持った存在、他人に如何しても譲れない、オリヂナルの何かをもった存在。



☆この世知辛くなりがちな、灰色のニュアンスが漂う社会で、必死に生きる俺たちは、一人一人が、ミュータントだ。



☆世間の、古くなってカチカチにこわばった常識や、カビの生えた価値観に操られて、みんな同じ顔のお面をかぶり、同じような灰色のスーツを着て歩いている人たちが、何故か社会の上層部を、根回し手回しねじ回し、いろいろなのを回して動かしている。



☆そんな社会で、俺たちは日々、懸命に生きている。



☆何が起こるかわからぬ、“一寸先は混沌(カオス)”という不可思議な香り漂わす香水をつけた、偶有性という、大きな眼に見えない存在と向き合って、毎日、必死に生きている。


☆そんなオレタチは、みんながみんな、一人一人何処かが違っている。



☆同じお面をかぶったスーツの連中のうち、一番えらいと言われている連中は、みんな、薔薇色の安全地帯にいて、怠慢と言う美酒美食をむさぼり、下界のオレタチの日々の苦楽など何処吹く風と、関心を持たない。



☆彼等のかぶる同じ顔のお面は、何時しか彼等の素顔とくっつき一体化して、やがて彼等にとっての本当の「素顔」になることだろう。



☆そんなお面をかぶって生きる必要のない俺達は、日々をつましく生きつつも、真の心の自由を求めているのだ。



☆でも案外、そんな自由は、俺達一人一人の足下に、とてもささやかな、儚げな形で、転がっていたりするのかもね。


☆それを拾い上げるときに、俺たちの前に、新たな、尽きせぬ希望の道が、開けるのかもしれない…!



☆我等は、ミュータント。



☆みなそれぞれ、違ったものを持っている、多様性の主体なのだ。



☆つましく生きつつ、希望を求める、我等は、ミュータント・・・!

(29th August 2010)
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